カナモトは21年10月期2Q累計が計画水準で通期予想据え置き

(決算速報)
 カナモト<9678>(東1)は6月4日の取引時間終了後に21年10月期第2四半期累計決算を発表した。将来を見据えた人財投資で減益だったが、概ね計画水準で着地し、通期増益予想を据え置いた。進捗率が順調であり、通期ベースで収益拡大を期待したい。なお岩崎(札幌市)との業務提携も発表している。株価は年初来高値圏から反落したが、調整一巡して切り返しの動きを強めている。順調な進捗率を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■21年10月期2Q累計減益だが計画水準、通期増益予想据え置き

 21年10月期第2四半期累計連結業績は売上高が前年同期比4.2%増の952億25百万円、営業利益が12.1%減の81億18百万円、経常利益が4.0%減の86億83百万円、親会社株主帰属四半期純利益が7.5%減の49億43百万円だった。
 
 公共投資が堅調に推移して増収だが、人財投資やレンタル資産運用期間延長に向けた中古建機販売抑制などで減益だった。ただし概ね計画(売上高959億円、営業利益81億円、経常利益82億円、親会社株主帰属四半期純利益47億円)水準で着地した。建設関連は4.3%増収(うち中古建機販売は27.9%減収)で14.6%減益、その他は3.3%増収で27.1%増益だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高476億60百万円で営業利益39億81百万円、第2四半期は売上高475億65百万円で営業利益41億37百万円だった。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が20年10月期比6.3%増の1903億円、営業利益が5.3%増の150億円、経常利益が6.5%増の152億円、親会社株主帰属当期純利益が6.3%増の90億円としている。配当予想は5円増配の70円(第2四半期末25円、期末45円)である。

 中期的需要見通しに対する資産の最適保有と機種構成を確保し、変化に対応したイノベーション、業務効率化や生産性向上などで収益力強化を図るとしている。第2四半期累計の進捗率は売上高50.0%、営業利益54.1%、経常利益57.1%、当期純利益54.9%と順調だった。

 災害復旧・防災・インフラなど国土強靭化関連工事で公共投資が堅調であり、通期ベースで収益拡大を期待したい。なお老舗のシステムソリューション商社である岩崎(札幌市)と業務提携した。

■株価は戻り試す

 株価は3月の年初来高値圏から一旦反落したが、調整一巡して切り返しの動きを強めている。順調な進捗率を評価して戻りを試す展開を期待したい。6月4日の終値は2756円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS238円08銭で算出)は約12倍、時価総額は約1068億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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