【銘柄診断】ファイバーゲートは戻り試す、21年6月期増配、利益予想は上振れの可能性

銘柄診断

 ファイバーゲート<9450>(東1)は独立系のWi-Fiソリューション総合サービス企業である。6月22日に期末配当予想を公表して前期比増配とした。21年6月期は第3四半期累計の利益進捗率が高水準であり、通期利益予想は上振れの可能性が高いだろう。株価は5月の年初来安値圏から反発の動きを強めている。増配も評価して戻りを試す展開を期待したい。

■独立系のWi-Fiソリューション総合サービス企業

 通信機器開発・製造から電気通信サービスまで一貫して手掛ける、独立系のWi-Fiソリューション総合サービス企業である。

 20年6月期の売上高構成比は、レジデンスWi-Fi事業(集合住宅向け無料インターネット接続サービス)が77%、フリーWi-Fi事業(商業施設向けフリーWi-Fiサービス、法人ネットワーク事業、Wi-Fiプロダクト事業)が23%だった。

 21年6月期からセグメント区分を、ホームユース事業(旧レジデンスWi-F事業)およびビジネスユース事業(旧フリーWi-Fi事業)とした。また21年2月には集合住宅向けWi-Fi事業の強化に向けて、子会社FGスマートアセットを設立して不動産業を開始した。

■21年6月期増収増益予想で上振れの可能性

 21年6月期連結業績予想は売上高が20年6月期比21.9%増の90億50百万円、営業利益が15.8%増の14億30百万円、経常利益が16.0%増の14億10百万円、親会社株主帰属当期純利益が30.0%増の9億40百万円としている。

 セグメント別売上計画はホームユース事業が29.7%増収、ビジネスユース事業が4.8%減収としている。ビジネスユース事業は新型コロナウイルスによる外出自粛の影響で商業施設向けフリーWi-Fiの需要低迷を想定するが、ホームユース事業の契約戸数拡大を見込み、全体として増収増益予想としている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比16.9%増の64億00百万円、営業利益が16.4%増の12億84百万円、経常利益が16.8%増の12億68百万円、四半期純利益が20.5%増の8億26百万円だった。レジデンス契約戸数増加に伴ってストック収入が順調に拡大し、プロダクトミックス悪化、ビジネスユース減速、人件費や減価償却費の増加などを吸収した。

 主力のホームユース事業は26.0%増収で19.5%増益と大幅伸長した。レジデンスWi-Fi契約戸数は35.4万戸(全国シェア11.2%)となった。ビジネスユース事業は13.6%減収で8.8%減益だった。

 通期予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率は売上高70.7%、営業利益89.8%で、利益進捗率が高水準である。下期は通信品質確保のためのコスト増加などで保守的に上期比減益を想定しているが、通期利益予想は上振れの可能性が高いだろう。なお未定としていた配当予想を6月22日に公表し、前期比50銭増配の4円(期末一括)とした。

■株価は戻り試す

 株価は5月の年初来安値圏から反発の動きを強めている。増配も評価して戻りを試す展開を期待したい。6月22日の終値は1506円、時価総額は約309億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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