【銘柄診断】山王は上値試す、21年7月期大幅増益予想

銘柄診断

 山王<3441>(JQ)は貴金属表面処理加工分野のリーディングカンパニーである。21年7月期は5G関連の需要増加などで大幅増益予想としている。22年7月期も収益拡大基調を期待したい。株価は5月の直近安値圏から急反発している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■貴金属表面処理加工(めっき加工)分野のリーディングカンパニー

 貴金属表面処理加工(めっき加工)分野のリーディングカンパニーである。コネクターを中心とする電子部品の貴金属表面処理加工を主力として、精密プレス加工なども展開している。新技術・新製品として、水素透過膜、銀めっきアクリル粒子の開発を推進している。

 連結子会社である山王電子(中国・無錫)の持分を譲渡(20年12月28日付で登記完了)した。生産を国内(東北工場)とフィリピンに集中して経営効率を高める方針だ。国内では東北事業部(工場)の設備を増強する。

■21年7月期大幅増益予想

 21年7月期の連結業績予想は6月14日に上方修正して、売上高が20年7月期比1.9%減の78億円だが、営業利益が28.4%増の2億30百万円、経常利益が2.4倍の2億10百万円、親会社株主帰属当期純利益が5.5倍の9億50百万円としている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比1.2%減の58億32百万円だが、営業利益が56.2%増の2億15百万円、経常利益が2.3倍の2億03百万円、四半期純利益が4.4倍の9億37百万円だった。

 第2四半期から山王電子(中国・無錫)を連結から除外した影響で減収だが、5G関連部品の需要が増加基調であり、自動車や産業機器関連の需要回復も寄与して大幅増益だった。四半期純利益は特別利益に関係会社出資金売却益7億53百万円を計上したことも寄与した。

 第3四半期の大幅増益を受けて通期予想を上方修正した。5G関連部品の需要拡大が継続する見込みだ。22年7月期も収益拡大基調を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は5月の直近安値圏から急反発している。週足チャートで見ると26週移動平均線を突破した。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。6月25日の終値は1612円、時価総額は約81億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る