【編集長の視点】シリコンスタジオは急反落も新コンテンツ配信・新エンジン発売と続きゲーム関連人気が再燃妙味

編集長の視点

シリコンスタジオ<3907>(東マ)は、720円安の9750円と急反落して始まっている。前日17日にスクウェア・エニックスホールディングス<9684>(東1)の最新作ゲーム「WORLD OF FANTASY」に同社のゲームエンジン「OROCHI 3」、「YEBIS 3」が採用されたことでストップ高しており、急伸後の利益確定売りが先行している。

ただ同社は、今年6月10日にソーシャルゲーム「戦国武将姫-MURASAKI-」の事前登録を開始し、今夏には新レンタリングエンジン「Mizuchi」の販売を開始し、さらに6月16日には新作ゲームアプリ「グランスフィア~宿命の王女と竜の騎士~」Android版の配信を開始しており、業績期待を高めゲーム関連人気が再燃する展開が有力である。今11月期第1四半期(1Q)の高利益進捗率業績や、今年2月26日に配信した新作ゲームアプリ「WONDER BLOCKS」が、3日間で8万ダウンロード(DL)を達成し、その後も累計DLを伸ばしていることも見直されよう。

■6月に新作ゲームの事前登録を開始し今夏に新ゲーム開発エンジンも発売

同社は、最高水準のCG(コンピューターグラフィックス)技術によってゲーム開発を効率化するミドルウェア(基盤ソフト)を開発・販売する事業をコアに、自社タイトルによるスマートフォン向けゲームを開発・販売するコンテンツ事業と、クリエイターを派遣・紹介する人材事業を展開、ワンストップでデジタルコンテンツ・ソリューションを提供している。ミドルウエア製品では、国内随一のゲーム開発エンジン「OROCHI 3」や高度な光学表現を可能とする「YEBIS 3」を展開しており、大手ゲームメーカーでは、自社製エンジンを使用しているケースも多いが、3月のバンダイナムコゲームス向けに続いて今回、スクエニHDの最新作ゲームに採用された。今夏には実写に近い映像表現を可能とする「Mizuchi」の発売を予定し、リアルタイムグラフィックスをさらに進化させる。

コンテンツ事業では、2012年11月にリリースした「逆襲のファンタジカ」が世界で累計764万DLに達するなどロングセラーを多数抱えるとともに、新作の「WONDER BLOCKS」も、好調な出足となっており、さらに「戦国武将姫-MURASAKI-」の事前登録を開始し、「グランスフィア~宿命の王女と竜の騎士~」を配信したことで収益化期待を高めている。

今11月期業績は、今年2月のIPO時に売り上げ92億7700万円(前期比15.2%増)、営業利益9億300万円(同7.5%増)、経常利益8億8700万円(同6.6%増)、純利益5億3200万円(同4.9%増)と続伸が予想された。ただ、IPO後初決算となった今期1Q業績は、売り上げ18億4700万円、営業利益8100万円、経常利益7700万円、純利益5000万円で着地、四半期決算が初作成となるため前年同期比較はないが、利益は、すでにIPO時予想の今期第2四半期累計業績を上回っており、期末にかけて業績上ぶれ期待も高まってきそうだ。

■初値水準での値幅・日柄調整一巡で前日はストップ高し底上げ加速展開も

株価は、今年2月に公開価格4900円で新規株式公開(IPO)され9900円で初値をつけ、「WONDER BLOCKS」の配信開始・好出足も加わって上場来高値1万9660円まで買い進まれ公開価格比4.0倍の大化けを演じた。最高値後は、初値を下回る上場来安値8810円まで調整し、初値水準の9000円台で約3カ月間の調整した。値幅・日柄調整とも一巡し、前日にはストップ高しており、ゲーム関連の直近IPO株人気を高めて底上げ加速展開が見込まれる。(本紙編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■離職率低下と顧客満足向上を実証、省人化潮流に逆行する人材重視戦略  「丸亀製麺」主力のトリドール…
  2. ■ビーム整形と出力平準化技術を融合し大気揺らぎを克服  NTT<9432>(東証プライム)と三菱重…
  3. ■航続距離650キロを実現、日野が新型FCV大型トラック投入  日野自動車<7205>(東証プライ…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  2. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  3. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  4. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…
  5. ■自民党総裁選と連立問題が相場を左右、短期急伸と急落を交錯  高市トレードは、まるで「超高速エレベ…
  6. ■東京市場、リスクオンとリスクオフが交錯、安全資産関連株に注目  週明けの東京市場は、米国株反発に…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る