【編集長の視点】積水化学、ノーベル化学賞受賞を先取りペロブスカイト太陽電池人気が増勢

■900億円投資の次世代電池が株価急伸の起爆剤

 積水化学工業<4204>(東証プライム)は、前日6日に184.5円高の2889円と急続伸して引け、取引時間中には2903.5円と買われる場面があり、今年9月19日に付けた上場来高値2938.5円に肉薄した。東証プライム市場の値上り率ランキングの第41位にランクインする急伸となった。今週は、6日のノーベル生理学・医学賞を皮切りにノーベル賞の受賞者が相次いで決定・発表される「ノーベル賞・ウイーク」となっており、8日に受賞者が決定する化学賞では、「曲がる太陽電池」といわれるペロブスカイト太陽電池を開発した宮坂力桐蔭横浜大学特任教授が有力候補となっていることを先取りし、同電池の量産化投資を推進中の同社株に関連株買いが増勢となった。今2026年3月期業績が、連続して過去最高純益更新と見込まれていることや、同日大引け後には生理学・医学賞に坂口志文大阪大学特任教授の受賞が伝えられたことも、側面支援材料となりそうだ。

■総投資額900億円で100MW製造ラインの建設を推進

 ペロブスカイト太陽電池は、従来型のシリコン系や化合物系の太陽電池とは異なる次世代太陽電池で、ペロブスカイト構造を持つ材料で製造し軽量で柔軟性に富み、ビルの壁面などに貼り付けて使用することも可能とする。材料は、日本が世界シェア第2位のヨウ素が中心となっていることから経済安全保障面でも期待が高く、このため経済産業省ではGXサプライチェーン構築事業の補助金制度により同電池の製造ライン増強を早期に実現することを目指している。積水化学は、昨年12月に同事業に採択されたことから、関連新会社を設立するとともに900億円を投資して100MW(メガワット)の製造ラインの建設に着手し2027年1月の稼働開始を目指す最先端に位置する。8日決定のノーベル化学賞の受賞者に宮坂力特任教授が決定すれば、この優位性が一段とアピールされることが想定される。

 業績も好調である。今2026年3月期業績は、売り上げ1兆3645億円(前期比5.1%増)、営業利益1150億円(同6.5%増)、経常利益1166億円(同5.1%増)、純利益820億円(同0.1%増)と続伸が予想され、純利益は連続して過去最高を更新し、配当も年間80円(前期実績79円)へ連続増配が予定されている。今年7月31日に発表された今期第1四半期(2025年4月~6月期、1Q)業績は、営業利益が前年同期比5.1%増と過去最高を更新して着地しており、今年10月30日発表予定の今期第2四半期(2025年4月~9月期、2Q)累計業績の動向も注目される。

■PER14倍の割り負け修正もオンして上場来高値抜けから一段高

 株価は、昨年12月のペロブスカイト太陽電池の製造ライン建設着手で2840円高値へ約200円高し、今年9月には経産省のタンデム型のペロブスカイト太陽電池への研究開発支援報道を手掛かりに上場来高値2938.5円へ100円高するなど同電池への敏感特性を発揮してきた。足元では最高値更新後のもみ合いを続けてきたが、「ノーベル賞ウイーク」入りとともに持ち直しの動きを強めてきた。PERは14.7倍と東証プライム市場の全銘柄平均の17.9倍を下回って割安であり、好実態再評価とペロブスカイト太陽電池関連株人気で上場来高値抜けから一段高に進み、市場平均PER並みに買う3518円が上値目標として意識される展開も想定される。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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