【編集長の視点】エスアールジータカミヤは分割落ち後安値水準から続伸、中期計画下方修正織り込み割り負け訂正買いが増勢

編集長の視点

エスアールジータカミヤ<2445>(東1)は、8円安で始まったあと6円高の754円と切り返して続伸、今年6月10日につけた株式分割権利落ち後安値725円水準から底上げしている。同社株は、今年5月19日に中期経営計画の目標業績を下方修正して分割落ち後安値まで下ぶれたが、それでも今3月期純利益は、連続して過去最高を更新するだけに、織り込み済みとの市場コンセンサスも形成されつつあり、下値に割り負け訂正買いが増勢となっている。

■次世代足場「Iqシステム」の技術提案営業を推進し今期純利益は連続過去最高

同社の中期3カ年経営計画は、昨年5月に策定されたが、このときとは経営環境が変化したとして目標業績が下方修正された。レンタル事業では、建設労働者不足による土木・橋梁工事の着工時期や進捗の遅れで土木関連機材の出荷が低調となり、太陽光パネル架台の販売も計画を下回り、さらに将来の業容拡大に向け人材の採用・確保、本社移転などの積極的な投資をしたことなどが要因となったもので、今2016年3月期純利益は、当初計画の26億円を23億3000万円(前期比12.5%増)、最終年度の来2017年3月期の純利益は、同様に31億円から27億6000万円に引き下げた。

しかし下方修正された今期純利益は、前期に続く過去最高となるもので、とくにレンタル事業では、作業性・安全性・経済性を高めた次世代足場「Iq(アイキュー)システム」について、東京オリンピック・中央リニア向けや耐震・防災関連工事などへ幅広く技術提案営業を推進し、価格改善にも取り組むことから業績上ぶれ期待も高まってくる。

■上値抵抗線の25日線を上抜きPER14倍台の修正に拍車

株価は、昨年11月に東証第1部への指定替えと株式分割(1対2)を同時に発表したことを好感してストップ高を交えて2017円高値まで急伸して1963円で分割権利を落とした。分割落ち後は高値1190円から前期・今期業績が市場コンセンサスを下回るとして下値を探り、中期計画の下方修正で同安値までダメ押しをした。PERは14倍台と割り負けは明らかで、これまで上値抵抗線となっていた25日移動平均線を上抜いてきたここからは一段の底上げにトライしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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