シナネンホールディングスは22年3月期2Q累計営業赤字、通期予想据え置き

(決算速報)
 シナネンホールディングス<8132>(東1)は10月29日の取引時間終了後に22年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。収益認識基準適用、LPガス・灯油販売における夏場の需要減少、電力調達コストの上昇、自転車販売における特需の反動減、販管費の増加などの影響で大幅減益となり、営業赤字だった。通期予想は据え置いた。新規事業に係る先行投資やIT投資などで減益予想としている。後半の挽回を期待したい。株価は9月の年初来高値圏から反落したが調整一巡感を強めている。目先的には第2四半期累計の営業赤字を嫌気する可能性もあるが下値限定的だろう。

■22年3月期2Q累計営業赤字、通期減益予想据え置き

 22年3月期第2四半期累計連結業績(収益認識基準適用)は、売上高が1005億18百万円、営業利益が42百万円の赤字、経常利益が3億23百万円、親会社株主帰属四半期純利益が72百万円だった。収益認識基準適用の影響としては、売上高が58億79百万円減少、売上原価が54億93百万円減少、営業利益、経常利益、親会社株主帰属四半期純利益がそれぞれ3億85百万円減少した。

 前年同期は売上高が797億89百万円、営業利益が9億68百万円、経常利益が9億27百万円、親会社株主帰属四半期純利益が3億95百万円だった。収益認識基準適用の影響を考慮せずに単純比較すると、原油価格高騰に伴う販売単価上昇などで増収、電力調達コスト上昇や販管費増加などで減益だった。

 エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)は、春先から夏場にかけて平均気温が平年と比べて高かったためLPガス・灯油の販売数量が低調だったが、原油価格高騰に伴って販売単価が上昇した。利益面はLPガスの差益確保などで収益改善に努めたが、収益認識基準適用の影響で低調だった。

 エネルギーソリューション事業(BtoB事業)は、石油事業で前年並みの販売数量を確保し、原油価格高騰に伴って販売単価が上昇したが、利益面は電力調達コストの上昇や販管費の増加などで低調だった。

 非エネルギー事業・海外事業では、シナネンサイクルの自転車販売が前年の特需の反動減低調だった。シナネンモビリティPLUSはシェアサイクル「ダイチャリ」の拠点開発を推進して順調だった。期末ステーション数は2000ヶ所超、設置自転車台数は8200台超となった。シナネンエコワークの環境・リサイクル事業は取引が回復した。シナネンゼオミックの抗菌事業は販売が堅調だったが、売上原価が上昇した。ミノスのシステム事業は電力自由化対応の顧客情報システム(電力CIS)が伸長した。建物維持管理事業(タカラビルメンなど)は、マンション等の定期管理業務が安定的に推移し、医療施設の感染消毒清掃の新規受注も寄与した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高493億59百万円、営業利益4億17百万円、経常利益5億78百万円、第2四半期は売上高511億59百万円、営業利益4億59百万円の赤字、経常利益2億55百万円の赤字だった。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が21年3月期比12.4%増の2440億円、営業利益が28.5%減の21億円、経常利益が43.8%減の17億円、親会社株主帰属当期純利益が44.8%減の15億円としている。配当予想は21年3月期と同額の75円(期末一括)である。

 売上面は原油価格高騰に伴う販売価格上昇などを考慮して増収予想だが、新規事業に係る先行投資や経営基盤整備に向けたIT関連投資を積極推進するため減益予想としている。第2四半期累計は営業赤字だったが、下期はLPガス・灯油の需要期であり、後半の挽回を期待したい。

 なお固定資産譲渡に関して、未定だったB土地の譲渡益(概算)と物件引渡期日が確定した。譲渡益は21億円、引渡期日は22年4月30日(予定)で、23年3月期第1四半期に特別利益計上予定である。

■株価は下値限定的

 株価は9月の年初来高値圏から反落したが調整一巡感を強めている。目先的には第2四半期累計の営業赤字を嫌気する可能性もあるが下値限定的だろう。10月29日の終値は3490円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS137円82銭で算出)は約25倍、時価総額は約455億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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