【注目銘柄】IDOMは15期ぶり最高純益更新幅拡大を見直し下げ過ぎ訂正買いへ

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 IDOM<7599>(東1)は、今2022年2月期純利益が、すでに2回も上方修正され2007年2月期の過去最高(65億6600万円)を15期ぶりに更新する更新幅を拡大することを見直し下げ過ぎ訂正買いが続いた。テクニカル的にも、5日移動平均線が25日移動平均線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現しており、底値圏でやや信用買い残が積み上がるなか、一段の戻りを試す展開となっている。

■国内中古車販売は過去最高で資源景気の豪州新車販売も好調

 同社の今2月期業績は、今年7月に第2四半期(2021年3月~8月期、2Q)累計業績と2月通期業績の1回目の上方修正をしたあと、その2Q累計決算発表時の10月に今期通期の純利益のみ2回目の上方修正をした。1回目の上方修正は、国内では新型コロナウイルス感染症の感染拡大のなか自動車メーカーが、サプライチェーン問題で減産を余儀なくされ納車に時間を要しているなか即時納車可能な中古車需要が高まり、同社が新規オープンした大型中古車チェーン店のフル稼働も寄与して小売台数が過去最高を更新し、オーストラリアでの新車販売も、鉄鉱石価格の上昇などの資源景気を背景し好調に推移し、豪ドルの円安メリットも上乗せになったことなどが要因となった。

 これに対して10月の再上方修正は、法人税率の負担率が軽減するとして純利益のみ7月の上方修正値を9億円引き上げ80億円(前期比5.38倍)とV字回復を見込み、過去最高を15期ぶりに更新する。しかし2Q累計業績は、利益が7月の上方修正値を10億円~14億円上回って着地しており、今期通期予想の売り上げ4054億円(前期比6.5%増)、営業利益150億円(同41.8%増)、経常利益139億円(同44.1%増)はかなり保守的との見方が強く、証券会社の一部では今期営業利益が167億円に上ぶれるとも観測されている。

■PERは9倍台、25日線から5%超のマイナスかい離水準から再発進

 株価は、今年7月の今期業績の1回目の上方修正を歓迎し、信用取組が0.55倍と売り長いとなった売り方の買い戻しも加わって窓を開けて急騰し、年初来高値1090円まで買い進まれ、子会社株式の売却損失発表で反動安となり、10月の業績再上方修正も修正値が市場コンセンサスを下回るとして反応は限定的にとどまり、窓を開けて747円まで急落した。この下値調整場面では、一部証券会社の目標株価引き上げもあって反転、PER9倍台の下げ過ぎ修正もオンして5日線が25日線を上抜くミニGCを示現して上昇トレンド転換を示唆した。年初来高値まで買い戻してもPERはなお13倍台にしか過ぎず、1000円大台回復から2016年3月高値1459円も視界に入ってこよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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