クリナップは22年3月期2Q累計が計画上回る大幅増益で通期予想を上方修正

(決算速報)
 クリナップ<7955>(東1)は11月5日の取引時間終了後に22年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。リフォーム需要を取り込み、原価低減や経費抑制なども寄与して計画を上回る大幅増益だった。そして通期予想を上方修正した。原材料高の影響などを考慮して下期をやや慎重に見込んでいるが、再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は9月の年初来高値圏から反落したが調整一巡感を強めている。上方修正を評価して上値を試す展開を期待したい。

■22年3月期2Q累計大幅増益、通期予想を上方修正

 22年3月期第2四半期累計の連結業績(収益認識基準適用)は、売上高が前年同期比15.2%増の549億37百万円、営業利益が21億66百万円(前年同期は85百万円)、経常利益が24億10百万円(同1億71百万円)、親会社株主帰属四半期純利益が15億52百万円(同1億42百万円の赤字)だった。

 なお収益認識基準適用で、売上高が3億70百万円増加、売上原価が5億97百万円増加、売上総利益が2億26百万円減少、販管費が45百万円増加、営業利益が1億81百万円減少、営業外費用が2億07百万円減少、経常利益が26百万円増加している。

 リフォーム需要を取り込み、原価低減や経費抑制なども寄与して計画を上回る大幅増益だった。部門売上高は厨房部門が17.5%増の437億48百万円、浴槽・洗面部門が8.5%増の77億66百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が269億01百万円で営業利益が10億90百万円、第2四半期は売上高280億36百万円で営業利益10億76百万円だった。

 第2四半期累計が計画を上回ったため、通期連結業績予想を上方修正し、売上高が21年3月期比8.0%増の1125億円、営業利益が22.4%増の32億円、経常利益が32.6%増の36億円、親会社株主帰属当期純利益が31.7%増の23億円としている。配当予想は据え置いて21年3月期と同額の20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。

 なお第2四半期累計の上振れ幅(売上高14億37百万円、営業利益8億66百万円、経常利益10億60百万円、親会社株主帰属四半期純利益7億22百万円)と、通期上方修正幅(売上高25億円、営業利益4億円、経常利益7億円、親会社株主帰属当期純利益5億円)を比較すると、下期の利益を下方修正した形になる。

 原材料高の影響などを考慮して下期をやや慎重に見込んでいるが、修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が48.8%、営業利益が67.7%、経常利益が66.9%、親会社株主帰属当期純利益が67.5%と高水準である。通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は9月の年初来高値圏から反落したが調整一巡感を強めている。週足チャートで見ると26週移動平均線が支持線の形だ。上方修正を評価して上値を試す展開を期待したい。11月5日の終値は562円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS62円35銭で算出)は約9倍、時価総額は約210億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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