松田産業は22年3月期2Q累計大幅増収増益、通期も大幅増収増益予想

(決算速報)
松田産業<7456>(東1)11月10日の取引時間終了後に22年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。貴金属関連事業の好調が牽引して大幅増収増益だった。通期も大幅増収増益予想(11月5日に2回目の上方修正)としている。さらに3回目の上振れ余地がありそうだ。収益拡大基調を期待したい。なお新市場区分についてプライム市場選択申請を発表した。株価は10月の高値圏から一旦反落したが、利益確定売りをこなしながら07年の上場来高値を目指す展開を期待したい。

■22年3月期2Q累計大幅増収増益、通期も大幅増収増益予想

 22年3月期第2四半期累計連結業績(収益認識基準適用)は、売上高が前年同期比21.8%増の1360億41百万円、営業利益が98.1%増の72億69百万円、経常利益が2.1倍の78億34百万円、そして親会社株主帰属四半期純利益が99.9%増の54億69百万円だった。

 貴金属関連事業の好調が牽引して、前回予想(8月11日に上方修正)を上回る大幅増収増益(11月5日に2回目の上方修正)だった。なお収益認識基準適用の影響額としては、売上高が87億16百万円減少、営業利益、経常利益、税前四半期純利益がそれぞれ1億02百万円減少した。

 貴金属関連事業は売上高が32.4%増の967億01百万円となり、営業利益が80.7%増の59億01百万円だった。主力顧客であるエレクトロニクス業界の生産活動が回復し、貴金属リサイクル取扱量および産業廃棄物処理受託が増加した。金製品・銀製品の販売量増加に加えて、全体的な貴金属相場の上昇も寄与した。

 食品関連事業は売上高が1.7%増の393億78百万円で、営業利益が3.4倍の13億68百万円だった。コロナ禍で業務用食品需要の低迷や世界的なサプライチェーンの混乱が継続しているが、水産品、畜産品、農産品の販売量が増加し、一部の商品の市況好転も寄与した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期売上高が701億20百万円で営業利益が41億89百万円、第2四半期は売上高が659億21百万円で営業利益が30億80百万円だった。

 通期の連結業績予想(11月5日に2回目の上方修正)は、売上高が21年3月期比12.3%増の2600億円、営業利益が51.8%増の122億円、経常利益が55.3%増の130億円、親会社株主帰属当期純利益が49.2%増の91億円としている。前回予想(8月11日に上方修正)に対して売上高を100億円、営業利益を15億円、経常利益を19億円、親会社株主帰属当期純利益を14億円、それぞれ上方修正した。

 なお配当予想は、11月5日に第2四半期末1円、期末1円、合計2円上方修正して、21年3月期比6円増配の44円(第2四半期末22円、期末22円)としている。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が52.3%、営業利益が59.6%、経常利益が60.3%、親会社株主帰属当期純利益が60.1%と高水準である。

 下期は貴金属関連事業において部品不足による主要顧客の一時的減産の影響、白金族など貴金属相場下落の影響、食品関連事業における原燃料価格上昇の影響、サプライチェーン混乱に伴う輸入コスト上昇の影響などを見込んでいるが、通期予想は3回目の上振れ余地がありそうだ。収益拡大基調を期待したい。

■株価は07年高値目指す

 株価は10月の高値圏から一旦反落したが、利益確定売りをこなしながら07年の上場来高値を目指す展開を期待したい。11月10日の終値は3310円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS348円84銭で算出)は約9倍、時価総額は約957億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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