ケンコーマヨネーズは22年3月期3Q累計減益だが利益進捗率高水準

(決算速報)
 ケンコーマヨネーズ<2915>(東1、新市場区分プライム)は2月14日の取引時間終了後に22年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。ファストフード向けの好調や外食分野の回復などで2桁増収だが、原料価格高騰の影響で減益だった。通期減益予想を据え置いた。ただし第3四半期累計の利益進捗率は高水準だった。さらに価格改定効果も寄与して通期予想に上振れ余地がありそうだ。収益回復を期待したい。株価は下値固め完了して切り返しの動きを強めている。出直りを期待したい。

■22年3月期3Q累計減益だが利益進捗率高水準、通期上振れ余地

 22年3月期第3四半期累計の連結業績(収益認識会計基準適用だが損益への影響なし)は、売上高が前年同期比10.4%増の575億80百万円だが、営業利益が13.1%減の13億39百万円、経常利益が17.9%減の13億28百万円、そして親会社株主帰属四半期純利益が21.4%減の8億87百万円だった。ファストフード向けの好調や外食分野の回復などで2桁増収だが、原料価格高騰の影響で減益だった。

 調味料・加工食品事業は売上高が11.0%増の438億50百万円、セグメント利益(調整前経常利益)が39.0%増の17億46百万円だった。ファストフード向けの好調、外食分野の回復に加えて、21年7月からのマヨネーズ類の価格改定効果も寄与した。

 総菜関連事業等は売上高が8.6%増の130億71百万円、利益が83.0%増の7億95百万円だった。中食需要も背景としてダイエットクック白老および関東ダイエットクック神奈川工場の売上が順調に拡大し、稼働率向上で利益も拡大した。

 四半期別に見ると第1四半期は売上高182億82百万円、営業利益4億03百万円、経常利益4億15百万円、第2四半期は売上高192億05百万円、営業利益2億97百万円、経常利益2億84百万円、第3四半期は売上高200億93百万円、営業利益6億39百万円、経常利益6億29百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が21年3月期比6.9%増の732億円、営業利益が27.6%減の14億30百万円、経常利益が26.9%減の15億円、親会社株主帰属当期純利益が28.0%減の10億50百万円としている。配当予想も据え置いて5円減配の15円(第2四半期末7円、期末8円)としている。

 テイクアウト需要に対応した商品ラインナップの拡充や販路の拡大などで増収を見込むが、原料価格高騰の影響で減益予想としている。ただし第3四半期累計の進捗率は売上高が78.7%、営業利益が93.6%、経常利益が88.5%、親会社株主帰属当期純利益が84.5%で、利益進捗率が高水準だった。さらに価格改定効果も寄与して通期予想に上振れ余地がありそうだ。収益回復を期待したい。

■株価は下値固め完了

 株価は下値固め完了して切り返しの動きを強めている。出直りを期待したい。2月14日の終値は1448円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS63円73銭で算出)は約23倍、時価総額は約239億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る