【編集長の視点】久世は反落も配当権利落ち安値水準から業績V字回復をテコに割安株買いが再燃へ

編集長の視点

久世<2708>(JQS)は、9円安の691円と反落して始まっている。今年4月2日につけた配当権利落ち後安値670円に並ぶ安値水準で売り買いが交錯し底固めを続けている。ただ、同社の今3月期業績は、創業以来初の赤字決算となった前期から黒字転換を予想、V字回復することを見直し下値に割安修正買いが再燃する展開も想定される。また今期から積極的な中期経営計画を推進することも、合わせて株価評価される見込みだ。

■3大都市圏で食材卸のナンバーワンを目指し積極的に新規顧客を開拓

同社の今期業績は、売り上げ637億円(前期比6.4%減)、営業利益1億2000万円(前期は3億6500万円の赤字)、経常利益2億3500万円(同1億9900万円の赤字)、純利益2億2000万円(同4億1200万円の赤字)と見込んでいる。同社は、外食・中食業界など向けの業務用食材卸で、前期は、消費税増税後の節約志向や急激な円安に伴う原材料価格の上昇などが響いて赤字決算となったが、今期は、首都圏、関西圏、中部圏の3大都市圏でのナンバーワンを目指して新規顧客の開拓を進め、前期の1800店舗の新規開拓に続き月1回開催の食材セミナーで顧客へのメニュー提案などを積極継続し、前期業績の足を引っ張った物流費負担も、物流効率化でカバー、さらに今年4月に商品本部を新設して4本部体制としてマネジメント能力を強化することなどが寄与する。純利益は、昨年4月にグループ化した東京・築地市場の仲卸・旭水産の減損損失2億4100万円が一巡してV字回復をより鮮明化する。

一方、新中期経営計画では、2020年開催の東京オリンピックを見据えて東京・神奈川を重点地区とし、野菜を取扱食材とする子会社の久世フレッシュ・ワンは、都内5区から東京・神奈川エリアに営業展開を拡大し、魚を扱う旭水産では、高価格帯商品によってミドル~アッパー層の外食企業を開拓するなど連携を強め、最終年度の2018年3月期には、売り上げ700億円、営業利益7億円、ROE(株主資本利益率)8%を目標としている。

■PER12倍台、PBR0.5倍の割安修正で年初来高値奪回から昨年1月高値も視野

株価は、前期業績が初の赤字となったものの、配当は12円の高配当を維持したことから、この前期配当の最終権利取りで年初来高値756円まで買い進まれ、権利落ちで同安値670円と調整、その後の前期業績の再下方修正でもこの水準で下値抵抗力を発揮し、700円台出没を繰り返してきた。PERは12倍台、PBRは0.5倍、配当利回りは1.73%と割安であり、高値奪回から昨年1月高値927円を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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