商船三井と三浦工業は航行中に常時回収可能な新型マイクロプラスチック回収装置を自動車船に試験搭載

■世界中の海からマイクロプラスチックを回収し、広海域での海洋環境保全に貢献

 商船三井<9104>(東証プライム)と三浦工業<6005>(東証プライム)は7月6日、これまで共同で取り組んできたマイクロプラスチック(MP)回収装置の技術と知見を活かし、航行中に常時回収可能な新型の遠心分離式MP回収装置を開発したと発表。同装置を商船三井が運航する自動車船”EMERALD ACE(エメラルド エース)”に2022年6月から試験的に搭載した。

■MP回収装置の開発背景およびこれまでの活動実績

 海洋汚染の要因の一つとなっているMPを回収するため、これまで両社では、船舶のバラスト水処理装置を構成する逆洗機能付きフィルタに捕集されたMPの捕捉を荷揚げ時に行う回収装置を開発し、バルクキャリア3隻、木材チップ船2隻の計5隻に搭載してきた。

 これらの搭載船では荷揚げ地の港で計約1万6000立方メートル相当の海水を処理してきたが、処理時間・エリア・容量を更に増やすべく、この度、新型の回収装置の開発を行った。

■新型遠心分離式のMP回収装置の特長

 新たに遠心分離装置を設けることで、配管を閉鎖することなく、海水からMP等の浮遊物濃度の高い濃縮水を分離し、効率よく浮遊物を捕捉する。これにより、常時取水している海水ラインの処理や、従来型では一部の処理に留まっていたバラスト水処理装置内の逆洗機能フィルタの船外排水も全量処理することが可能となる。本船では、常時海水を取水している冷却海水ラインに繋げることで、航行中常にMPを回収することができ、従来機と比較し年間約70倍の海水処理が可能となる。自動車船の投入航路は全世界に及ぶため、航行中に装置を稼働することであらゆる海域を綺麗にし、海洋環境保全に貢献する。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る