ASIAN STARは22年12月期2Q累計赤字だが通期黒字転換予想据え置き

(決算速報)
 ASIAN STAR(エイシアンスター)<8946>(東証スタンダード)は8月12日に22年12月期第2四半期累計連結業績を発表した。前年同期の収益マンション販売の反動で大幅減収となり、中国・上海のロックダウンによる一部経費の増加も影響して赤字だった。ただし通期の黒字転換予想は据え置いている。下期に収益不動産売却が見込まれるとしている。収益改善基調を期待したい。株価は安値圏の小幅レンジでモミ合う形だが、徐々に下値を切り上げている。出直りを期待したい。

■22年12月期2Q累計赤字だが通期黒字転換予想据え置き

 22年12月期第2四半期累計の連結業績(8月3日付で下方修正)は、売上高が前年同期比37.4%減の10億24百万円、営業利益が40百万円の赤字(前年同期は58百万円の黒字)、経常利益が43百万円の赤字(同64百万円の黒字)、親会社株主帰属四半期純利益が59百万円の赤字(同45百万円の黒字)だった。計画を下回り、各利益は赤字で着地した。前年同期の収益マンション販売の反動で大幅減収となり、中国・上海のロックダウンによる一部経費の増加も影響した。

 セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)は、不動産販売事業が前年同期の収益マンション販売の反動や戸建て売上件数減少などで5百万円の赤字(前年同期は43百万円の黒字)、不動産管理事業が中国・上海のロックダウンによる一部経費の増加などで7.4%減の56百万円、不動産賃貸事業が経費削減などで10.3%増の41百万円、不動産仲介事業がコロナ禍の影響などで63.8%減の31百万円だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が4億03百万円で営業利益が34百万円の赤字、第2四半期は売上高が6億21百万円で営業利益が6百万円の赤字だった。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が21年12月期比35.2%増の34億39百万円、営業利益が1億10百万円の黒字(21年12月期は3百万円の赤字)、経常利益が1億11百万円の黒字(同4百万円の黒字)、親会社株主帰属当期純利益が69百万円の黒字(同21百万円の赤字)としている。

 第2四半期累計は計画を下回ったが、中国・上海のロックダウンが解除されて段階的に稼働を再開していることに加えて、下期に収益不動産売却が見込まれるため黒字転換予想としている。中国事業においては、政府による不動産取引抑制施策の緩和を見込み、仲介件数と管理受託件数の増加を図るとしている。収益改善基調を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価は安値圏の小幅レンジでモミ合う形だが、徐々に下値を切り上げている。第2四半期累計の下方修正に対する反応も限定的だった。出直りを期待したい。8月17日の終値は79円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS3円62銭で算出)は約22倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS84円86銭で算出)は約0.9倍、そして時価総額は約15億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る