【編集長の視点】アップルは年初来高値を更新、業績上方修正に円安がオンして低位割安株買いが再燃

編集長の視点

■24年ぶりの円安・ドル高も業績再上ぶれの期待材料

 アップルインターナショナル<2788>(東証スタンダード)は8日、29円高の378円まで上げて続伸し年初来高値を更新している。同社株は、今年8月5日に今2022年12月期業績の上方修正を発表して株価はストップ高と急伸し高値固めを続けてきたが、なお割安として低位値ごろ株買いが再燃した。上方修正の要因の一つとなった海外中古車輸出事業の為替差益に関して、本日の午後取引時間中に為替相場が一時、1ドル=144.38円と24年ぶりの円安・ドル高に進んでいることも、業績再上ぶれの期待材料となっている。

■海外中古車輸出に円安が追い風になり価格優位性と為替差益も

 同社の今12月期業績は、期初予想より売り上げを79億8700万円、営業利益を5億2300万円、営業利益を6億6300万円、純利益を5億4100万円それぞれ引き上げ、売り上げ239億3100万円(前期比28.4%増)、営業利益7億2600万円(同2.24倍)、経常利益10億800万円(同88.1%増)、純利益7億7000万円(同91.1%増)と見込み、期初の減収減益予想が大幅増収増益となる。売り上げの過半を占めるタイを中心とする東南アジア向けの海外中古車輸出事業で、経済活動再開とともに需要が持ち直し、円安による価格競争力のアップが加わったことが要因で、円安による為替差益の発生も上乗せとなっている。

 為替相場は、今後の米国の政策金利の引き上げとともに、足元の1ドル=144円台がさらに円安・ドル高に進む展開も想定され、中古車輸出への価格優位性として一段の追い風になるとともに、為替差益拡大に貢献すると予想され業績再上ぶれ材料として注目されている。

■PER6倍、PBR0.6倍の修正で分割権利落ち後高値も意識

 株価は、期初の今期業績の減収減益予想が響いて200円台を出没する低位もみ合いが続き、いすゞ自動車<7202>(東証プライム)との資本業務提携解消に伴って実施した自己株式立会外買付取引で動意付き、業績上方修正とともにストップ高と窓を開け年初来高値367円まで買われた。その後は高値もみ合いを続けてきたが、PERは6.2倍、PBRは0.69倍と割安で、300円台の低位値ごろも魅力となっている。年初来高値抜けから2018年2月高値469円、2017年の株式分割権利落ち後高値512円が意識されよう。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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