トレジャー・ファクトリーは23年2月期業績・配当予想を3回目の上方修正

(決算速報)
トレジャー・ファクトリー<3093>(東証プライム)は1月12日の取引時間終了後に23年2月期第3四半期累計連結業績を発表した。リユース意識の高まりや外出需要の回復などで既存店売上が好調に推移し、新規出店も寄与して計画を上回る大幅増収増益だった。そして通期の連結業績予想および配当予想を上方修正(いずれも3回目)した。22年12月の既存店売上も16ヶ月連続の前年比プラスと好調が続いており、通期会社予想はさらなる上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は22年12月の上場来高値圏から地合い悪化や利益確定売りで一旦反落したが、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形となっている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■23年2月期3Q累計大幅増益、通期業績・配当予想を3回目の上方修正

23年2月期第3四半期累計連結業績は売上高が前年同期比20.7%増の203億88百万円、営業利益が3.3倍の19億01百万円、経常利益が3.1倍の19億43百万円、親会社株主帰属四半期純利益が3.8倍の12億63百万円だった。

リユース意識の高まり、行動制限緩和に伴う外出需要の回復、メディア露出増加による認知度向上などで既存店売上が好調に推移し、新規出店やグループ会社の損益改善も寄与して計画を上回る大幅増収増益だった。連結ベースで見ると、新規出店は年間20~25店舗の計画に対して、22年12末時点でグループ合計20店舗の出店を完了した。仕入高(買取)は多様なチャネルを生かして23.7%増加と大幅に伸長した。差引売上総利益率は62.5%で0.9ポイント上昇した。EC売上比率は14.0%だった。

単体ベースで見ると、既存店の売上高は110.5%、販売件数は107.4%、1件あたり販売単価は102.9%だった。売上総利益率は66.4%で1.0ポイント上昇した。販売件数、販売単価ともに上昇し、値下げや廃棄の抑制なども寄与した。仕入高は20.8%増加、新規出店は16店舗、EC売上比率は10.3%だった。

四半期別に見ると、第1四半期は売上高が67億33百万円で営業利益が7億66百万円、第2四半期は売上高が60億91百万円で営業利益が2億36百万円、第3四半期は売上高が75億63百万円で営業利益が8億99百万円だった。なお新入学・入社に伴う引越シーズンにあたる第1四半期(3月~5月)の利益率が高く、第2四半期(6月~8月)の構成比が小さい季節特性がある。

通期の連結業績予想は1月12日付で上方修正(22年10月12日付に続いて3回目の上方修正)し、売上高が22年2月期比18.7%増の276億67百万円、営業利益が2.4倍の23億76百万円、経常利益が2.3倍の24億22百万円、親会社株主帰属当期純利益が2.1倍の15億08百万円としている。配当予想も1月12日付で期末5円上方修正(22年10月12日付に続いて3回目の上方修正)し、22年2月期比15円増配の32円(第2四半期末12円、期末20円)としている。

修正後の通期連結業績予想は、前回予想に対して売上高11億53百万円、営業利益を4億33百万円、経常利益を4億45百万円、親会社株主帰属当期純利益を2億88百万円それぞれ増額した。下期の単体ベースの既存店売上高の想定は101%で前回予想時点から変更はないとしている。コスト面では下期の従業員給与ベースアップや電気代等のコスト増加を前回予想に織り込み済みだが、今回の修正には店舗設備投資・修繕費用や賞与増額などで約60百万円の追加費用を見込んでいる。大幅増収効果や売上総利益率改善効果でコスト増加を吸収する見込みだ。

修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が73.7%、営業利益が80.0%、経常利益が80.2%、親会社株主帰属当期純利益が83.8%となる。月次売上状況を見ると22年12月も全店121.1%、既存店109.8%と好調に推移している。売上総利益率の改善も寄与してさらなる上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

株価は12月の上場来高値圏から地合い悪化や利益確定売りで一旦反落したが、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形となっている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。1月12日の終値は2344円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS135円18銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の32円で算出)は約1.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS424円66銭で算出)は約5.5倍、そして時価総額は約276億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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