科研製薬、難治性脈管奇形を対象疾患とした「ART-001」の国内第2相試験で主要評価項目を達成

■連結子会社のバイオベンチャーが開発中、欧州の学会で発表

 科研製薬<4521>(東証プライム)の連結子会社で2021年にグループ入りした国内バイオベンチャーARTham Therapeutics株式会社(神奈川県横浜市)が開発を進めている「ART-001」の難治性脈管奇形を対象疾患とした国内第2相試験(以下、本試験)の結果が、ベルギーで開催されたInternational Conference on Vascular Anomalies 2023(ブリュッセル、1月31日~2月3日)にて発表された。科研製薬が2月2日付のニュースリリースとして発表した。

 本試験は、低流速型脈管奇形(静脈奇形、リンパ管奇形(リンパ管腫)、クリッペル・トレノネー症候群)の患者を対象とする多施設共同ランダム化二重盲検試験。50mg(17例)もしくは100mg(18例)の「ART-001」を1日1回、24週間経口投与された際の有効性及び安全性について検討することを目的に実施された。

【有効性】(主要評価項目)

 「24週間投与終了時点の標的病変の体積変化(MRI)に基づく奏効率」は50mg群で29.4%、100mg群で33.3%だった。100mg群の95%信頼区間の下限が事前に設定をした閾値を上回ったことから、主要評価項目を達成した。

【有効性】(副次的評価項目)

•24週間投与終了時点の病変体積のベースラインからの変化率の平均値は50mg群と100mg群でそれぞれ-2.3%と-12.6%だった。

•疼痛スコア(VAS)の平均値はベースラインで50mg群と100mg群でそれぞれ29.4mm、24.6mm、24週投与終了時点でそれぞれ16.1mm、12.4mmだった。

•25歳以下のQOL(PedsQL3))のトータルスコアの平均値はベースラインで50mg群と100mg群それぞれ84.52、86.50、24週投与終了時点でそれぞれ90.14、92.52だった。

【安全性】

 いずれかの投与群で10%以上の頻度で認められた副作用は、悪心、口内炎、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、尿中β2ミクログロブリン増加でした。死亡例及び治験薬と因果関係のある重篤な有害事象は認められなかった。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る