川崎汽船は舶用バイオ燃料を使用した鉄鋼原料輸送船の試験航行を実施、脱炭素化に向けた取り組み

■舶用バイオ燃料を用いた試験航行を2023年2月4日に完了

 川崎汽船<9107>(東証プライム)は統合エネルギー企業であるbp社と舶用バイオ燃料の供給契約を締結し、JFEスチールの協力のもと、同社運航のケープサイズ型バルクキャリア「CAPE TSUBAKI」において脂肪酸メチルエステル(FAME)24%と低硫黄燃料油(VLSFO)を混合したB24の舶用バイオ燃料を用いた試験航行を2023年2月4日に完了した。同社における舶用バイオ燃料の試験航行実施は、3回目となる。同社では実船試験を通じ、舶用バイオ燃料の運用や使用に関するノウハウを蓄積し、今後の顧客からの要望に幅広く対応していく。

 同船はブラジルのPonta da Madeira港で鉄鉱石の積載を完了後、2022年11月26日に航海途中のシンガポール港にてbp社より舶用バイオ燃料の供給を受け、その後2022年12月から舶用バイオ燃料を用いた試験航行を開始し揚地である川崎港へ到着した。また実際の長駆航海での運用を想定し、舶用バイオ燃料の一部を同船タンク内に約2カ月保管のうえ、最終的に問題無く使用した。この試験航行で使用した舶用バイオ燃料に含まれるFAMEは現在の主機仕様を変更することなく、Well to Wake(燃料生成から燃焼までの過程)で80〜90%のGHG排出量削減に寄与する。

 また、2022年8月にJFEスチール株式会社向けスープラマックス型鋼材輸送船においても舶用バイオ燃料の試験航行に取り組んでおり(※1)、それに続き同社向け原料輸送においても試験航行を実施したものである。同社は顧客のサプライチェーンにおける海上輸送全体で脱炭素化へ貢献していくとしている。

 同社の環境に関わる長期指針「”K”LINE環境ビジョン2050〜青い海を明日へつなぐ〜」(※2)では、国際海事機関(IMO)が定める2030年目標である「CO2排出効率2008年比40%改善」を上回る「同50%改善」という目標を設定し、更には2050年の目標としてGHG排出ネットゼロに挑戦していくことを掲げ、自社の脱炭素化、社会の脱炭素化支援を推進し、人々の豊かな暮らしに貢献していく。

(※1)2022年8月26日付:舶用バイオ燃料を使用した鋼材輸送船の試験航行を実施
(※2)「”K”LINE環境ビジョン2050〜青い海を明日へつなぐ〜」

 GHG削減のアクションプランとして、アンモニア・水素燃料といったゼロエミッション燃料、およびバイオLNG、合成燃料等のカーボンニュートラル燃料の導入を掲げている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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