ミロク情報サービスは24年3月期小幅営業・経常増益予想、さらに上振れの可能性

(決算速報)
ミロク情報サービス<9928>(東証プライム)は、5月12日の取引時間中に23年3月期連結業績を発表した。計画を上回る大幅営業・経常増益で着地した。クラウドサービスの利用社数増加や、ERP製品の一部サブスクリプション型での提供などにより、ストック型収益のサービス収入が大幅に伸長した。24年3月期は不透明感、サブスクリプション型への移行スピード加速、戦略投資などを考慮して小幅な営業・経常増益にとどまる予想としている。ただし保守的な印象が強い。会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は24年3月期小幅営業・経常増益予想に対してネガティブ反応となったが下値限定的だろう。目先的な売りが一巡して出直りを期待したい。

■23年3月期大幅営業・経常増益、24年3月期小幅営業・経常増益予想

23年3月期の連結業績は売上高が22年3月期比13.3%増の414億61百万円、営業利益が27.0%増の60億84百万円、経常利益が22.4%増の58億39百万円、親会社株主帰属当期純利益は前期計上の特別利益(関係会社株式売却益20億87百万円)の剥落で16.6%減の37億67百万円だった。配当は22年3月期と同額の45円(期末一括)とした。22年3月期の45円には特別利益発生に伴う特別配当5円を含むため、普通配当ベースでは5円増配の形となる。配当性向は35.7%である。

計画(22年10月31日付上方修正値、売上高408億円、営業利益58億円、経常利益56億円、親会社株主帰属当期純利益36億円)を上回る大幅営業・経常増益だった。22年4月に販売開始した中堅企業向けERPシステム「Galileopt DX」など主力ERP製品の販売が好調に推移した。そしてクラウドサービスの利用社数増加や、ERP製品の一部サブスクリプション型での提供などにより、ストック型収益のサービス収入が大幅に伸長した。

品目別の売上高は、システム導入契約売上高が16.8%増の236億46百万円(内訳はハードウェア売上高が26.7%増の39億39百万円、ソフトウェア売上高が11.2%増の138億02百万円、ユースウェア売上高が25.4%増の59億04百万円)で、サービス収入が9.6%増の142億55百万円(会計事務所向け総合保守サービスTVSが0.6%増の25億34百万円、ソフトウェア使用料収入が41.6%増の39億34百万円、企業向けソフトウェア運用支援サービス収入が1.6%増の56億84百万円、ハードウェア・ネットワーク保守サービス収入が0.9%増の15億18百万円、サプライ・オフィス用品が3.9%減の5億82百万円)だった。その他は6.1%増の35億59百万円だった。

なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が97億16百万円で営業利益が15億03百万円、第2四半期は売上高が101億65百万円で営業利益が15億99百万円、第3四半期は売上高が111億35百万円で営業利益が22億81百万円、第4四半期は売上高が104億45百万円で営業利益が7億01百万円だった。

24年3月期の連結業績予想は売上高が23年3月期比0.3%増の416億円、営業利益が0.3%増の61億円、経常利益が6.2%増の62億円、親会社株主帰属当期純利益が8.8%増の41億円としている。配当予想は23年3月期と同額の45円(期末一括)としている。

24年3月期は不透明感、サブスクリプション型への移行スピード加速、戦略投資などを考慮して小幅な営業・経常増益にとどまる予想としている。ただし保守的な印象が強い。会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は下値限定的

株価は24年3月期小幅営業・経常増益予想に対してネガティブ反応となったが下値限定的だろう。目先的な売りが一巡して出直りを期待したい。5月12日の終値は1570円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS137円32銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の45円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS813円13銭で算出)は約1.9倍、そして時価総額は約546億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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