【マーケットセンサー】株価急騰の予感?自己株式の取得と消却で注目される銘柄リスト

■自己株式の取得と消却によるメリットとは?

 自己株式の取得と消却は、会社が自社株式を買い戻して消滅させることで、発行済株式数を減らす行為。自己株式の取得と消却には、株価の上昇や買収防衛などのメリットがあるが、資金繰りや自己資本比率にも影響を与える。

 自己株式の取得と消却を行う銘柄は、需給改善や買収防衛などの効果により株価が上昇する傾向がある。しかし、資金繰りや自己資本比率などの財務指標にも注意が必要。低PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)で配当利回りも高い銘柄は、投資家にとって有望な候補と言えるだろう。

 自己株式の取得と消却を同時発表した銘柄のうち、想定の取得価格が足元の株価を上回っている銘柄は、大和ハウス工業<1925>(東証プライム)、双日<2768>(東証プライム)、積水化学工業<4204>(東証プライム)、キッセイ薬品工業<4547>(東証プライム)、メルコホールディングス<6676>(東証プライム)、ホシデン<6804>(東証プライム)、シマノ<7309>(東証プライム)、日本ライフライン<7575>(東証プライム)、野村ホールディングス<8604>(東証プライム)などがある。このうち大和ハウス、ホシデン、日本ライフラインは年初来高値を更新した。これらの銘柄は、低PER・PBRで配当利回りも市場平均を上回っており、投資採算的に魅力的だ。

 そのほか低PER・PBR株では、積水ハウス<1928>(東証プライム)、ライト工業<1926>(東証プライム)、トーカロ<3433>(東証プライム)、ニッポン高度紙<3891>(東証スタンダード)、クレハ<4023>(東証プライム)、アマダ<6113>(東証プライム)、メガチップス<6875>(東証プライム)、山一電機<6941>(東証プライム)、スター精密<7718>(東証プライム)、凸版印刷<7911>(東証プライム)、大日本印刷<7912>(東証プライム)、ケーズホールディングス<8282>(東証プライム)などが注目されている。これらの銘柄は、自己株式の取得と消却を行っていないものの、発行済株式数を適正化することで株価に弾みがつく可能性がある。また、M&Aや事業承継などの場面で自己株式を活用することも期待できる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■価格改定効果に加え9月以降の値上げで業績上乗せが期待される銘柄  今週の当コラムは、9月に価格改…
  2. ■9月1日に値上げラッシュの食品株は日銀バトルで小緩んでも株高持続性  まさに「パウエル・プット」…
  3. ■メガバンク株は業績修正や自己株取得が焦点、再編思惑も視野  銀行株やコメ関連株は盆休み明けの注目…
  4. ■日経平均史上最高値更新、夏枯れ懸念を払拭  前週末15日のマーケットは、お盆を象徴するかのように…
  5. 【ダブルセット・フルセット銘柄、夏休み明けも底堅さに期待】 ■上方修正・増配・株式分割の好材料銘柄…
  6. ■上方修正・下方修正問わず買い集まる異例の展開  3連休入りした9日の成田空港では、夏休みを海外で…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る