【編集長の視点】ファーストロジックは年初来高値更新、連続増配・株式分割の権利取りを連続最高業績がサポート

■株式分割・増配を発表、業績も好調

 ファーストロジック<6037>(東証スタンダード)は、前日3日に53円高の1062円と高値引けで4営業日続伸し、6月19日につけた年初来高値1030円を更新した。同社は、今年7月31日を基準日に株式分割、さらに今2023年7月期の配当も連続増配を予定しており、この権利取りを上方修正され連続して過去最高更新と予想されている今7月期業績がサポートしている。テクニカル的にも、株式分割・増配・業績上方修正発表とともに25日移動平均線が75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆したことも買い手掛かりとなっている。

■「不動産の楽待」の高単価商品の受注が好調に推移し最高純益をさらに上方修正

 株式分割は、投資単位当たりの投資資金水準を引き下げ同社株式の流動性を向上させ投資家層をさらに拡大させることを目的にしており、7月31日を基準日に1株を2株に分割する。2017年12月31日を基準日に実施した株式分割(1株を2株に分割)に次ぐ資本政策となる。同時に今7月期の増配も発表しており、期初予想の年間13円を14円(前期実績11円)に引き上げ連続増配幅を拡大させる。また昨年6月に取締役会決議した自己株式取得枠12万株(発行済み株式総数の1・09%)も株式分割とともに24万株に変更する。

 株式分割・連続増配の前提となる今2023年7月期業績は、今年5月18日に上方修正されている。期初予想より売り上げを5000万円、営業利益、経常利益を各5200万円、純利益を3400万円引き上げたもので、売り上げ20億5000万円(前期比9.3%増)、営業利益11億200万円(同8.8%増)、経常利益11億200万円(同8.8%増)、純利益7億2000万円(同5.0%増)と見込み、前期に続き過去最高を更新する。全国4500社の不動産会社が、物件情報を掲載し、使いやすさ、利用者数、掲載物件数が国内トップの不動産投資情報サイト「不動産の楽待」に月間168万人が訪れ、とくに広告収入ではタイアップ記事や動画などの高単価商品の受注が好調に推移したことなどが寄与している。

■GC示現で上昇トレンド転換を鮮明化し権利取りも加わり上値チャレンジ

 株価は、今年3月に米国・欧州などで相次いだ銀行破綻の影響にツレ安して年初来安値788円まで売られたが、売られ過ぎ修正に業績の上方修正、生成AI(人工知能)機能リリースなどの不動産テック関連株人気も上乗せになってリバウンドし、株式分割・連続増配発表とともに1030円高値まで買われ、25日線が75日線を上抜くGCを示現して上昇トレンド転換を示唆した。PERは、15倍台と東証プライム市場全銘柄平均並みであり、株式分割・連続増配の権利取りで年初来高値抜けから一段の上値追いにチャレンジしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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