ファンデリーは24年3月期1Q赤字縮小、通期黒字転換予想据え置き

(決算速報)
 ファンデリー<3137>(東証グロース)は7月31日の取引時間終了後に24年3月期第1四半期業績(非連結)を発表した。CID事業の送料改定によるARPU改善効果やマーケティング事業の増収効果などにより、全体として赤字縮小した。そして通期の黒字転換予想を据え置いた。販管費が増加するものの、売上回復による増収効果などで吸収する見込みだ。積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。株価は乱高下した後に安値圏へ回帰の形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。

■24年3月期1Q赤字縮小、通期黒字転換予想据え置き

 24年3月期第1四半期の業績(非連結)は売上高が前年同期比1.0%増の6億80百万円、営業利益が3百万円の損失(前年同期は17百万円の損失)、経常利益が14百万円の損失(同28百万円の損失)、四半期純利益が14百万円の損失(同28百万円の損失)だった。CID事業の送料改定によるARPU改善効果やマーケティング事業の増収効果などにより、全体として赤字縮小した。

 MFD事業は売上高が6.6%減の5億31百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が16.6%減の91百万円だった。医療機関等の紹介ネットワークを通じた新規顧客減少により減収減益だった。前年同期比で見るとアクティブ会員数は3207人減少の2万5841人、月間ARPU(3ヶ月平均)は547円上昇の1万5774円、定期コース会員数は656人減少の6410人、紹介ネットワーク数は413箇所増加2万386箇所となった。ただし営業3拠点体制による紹介ネットワーク拡大策の成果により、定期コース会員数が16四半期ぶりに純増(23年3月期第4四半期比9人増加)に転じるなど、収益改善の兆しが見え始めた。

 CID事業は売上高が74.1%増の72百万円、利益が99百万円の損失(前年同期は1億02百万円の損失)だった。依然として損益分岐点に達していないが、MFD事業向け商品の製造(内部取引)による稼働率上昇、高価格帯のラインナップ拡充、送料改定によるARPU上昇などの効果で赤字縮小した。前年同期比で見ると、アクティブ会員数は1万3627人減少の5013人、月間ARPU(3か月平均)は232円上昇して6520円、AI旬すぐ会員数は411人減少して1264人となった。ただし月間ARPU(3か月平均)を四半期別にみると、23年3月期第3四半期の5556円をボトムとして、第4四半期は5875円、24年3月期第1四半期は6520円と改善基調である。

 マーケティング事業は売上高が92.8%増の1億22百万円、利益が89.9%増の82百万円百万円だった。売上高は第1四半期として過去最高だった。健康食通販カタログの広告枠販売に加えて、紹介ネットワークを活用した業務受託を複数案件獲得し、収益が大幅に改善した。

 通期の業績(非連結)予想は据え置いて売上高が23年3月期比8.1%増の30億37百万円、営業利益が52百万円(23年3月期は2億85百万円の損失)、経常利益が51百万円(同2億84百万円の損失)、当期純利益が50百万円(同2億84百万円の損失)としている。

 MFD事業の計画は、売上高が23年3月期比3.5%増の23億35百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が11.7%減の4億23百万円としている。コロナ禍収束傾向に伴って23年3月期第4四半期後半から事業環境好転の兆しを見せており、さらに紹介ネットワークの新規開拓や振興を推進して売上回復を見込む。なお平均単価については前期比横ばいの前提としている。

 CID事業の計画は、売上高が42.3%増の2億01百万円で利益が4億11百万円の損失(23年3月期は7億58百万円の損失)としている。売上面は知名度向上効果などで増収を見込み、利益面では前期第4四半期に計上した広告宣伝費や包装資材評価損の一巡も寄与する。なお平均単価については前期比横ばいの前提としている。

 マーケティング事業の計画は、売上高が21.2%増の5億円で利益が25.5%増の3億64百万円としている。前期の期ズレ案件も寄与して大幅増収増益の見込みとしている。

 24年3月期は販管費が増加するものの、売上回復による増収効果などで吸収する見込みだ。積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は乱高下した後に安値圏へ回帰の形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。7月31日の終値は348円、今期予想PER(会社予想のEPS7円97銭で算出)は約44倍、前期実績PBR(前期実績のBPS53円37銭で算出)は約6.5倍、そして時価総額は約22億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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