フジクラはサイドエアバッグ用ケーブルを30%軽量化・10%細径化を実現、自動車の軽量化に貢献

■CASE時代に対応

 フジクラ<5803>(東証プライム)は31日、自動車のサイドエアバッグに電気信号を送るためのハーネス用ケーブルを軽量・細径化し、新たにサンプル提供を開始したと発表。

 ドライバーや同乗者への側面からの衝撃を緩和するサイドエアバッグシステムには、起爆信号を伝達するためのケーブルが必要で、ケーブルは狭い空間内にレイアウトされている。

 衝撃や振動による断線を防ぐ必要があることから、ケーブル内部の電線はPVC(ポリ塩化ビニル)を主原料とするチューブ(PVCチューブ)などで保護されるが、同社は、PVCチューブより軽量・細径化が図れるシース(ケーブル外皮)で電線の外周を覆う構造を従来から採用し、PVCチューブによる保護と同等の高い耐外傷性を実現してきた。

 近年、自動車の燃費向上やEVの航続距離延長を目的に車両の軽量化に対するニーズが高まっており、ケーブルにおいても更なる軽量化や細径化が求められている。

 同社はこうしたニーズの高まりを受け、使用する導体材料の強度を高めて細径化を図ると同時に、樹脂材料の耐外傷性を高めながらも絶縁体とシースの厚みを抑えたサイドエアバッグハーネス用のケーブルを新たに開発した。

 その結果、同製品は、PVCチューブと同等の耐外傷性を維持しながら、同社現行品に比べ30%の軽量化と10%の細径化を実現している。

 これにより、ケーブルレイアウトの自由度が増し、さらにサイドエアバッグシステムの軽量化にも寄与している。

 現在、自動車はCASE(Connectivity:コネクテッド、Autonomous:自動運転、Shared&Service:シェアリング&サービス、Electric:電動化)が主要なテーマとなってきており、年々、多機能化が進む100年に一度の革新期を迎えている。

 このような中、同社は、今後も独自の技術を活かしてサイドエアバッグハーネス用ケーブルの軽量化・細径化を追求し、自動車産業の発展とカーボンニュートラルを両立した社会の実現に貢献していくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る