【編集長の視点】建設技研は続落も連続最高純益を手掛かりに割安内需株買いの再燃が有力

編集長の視点

建設技術研究所<9621>(東1)は、37円安の1190円と続落して始まっている。同社株は、8月25日につけた今年の2番底1114円からの底上げ途上にあるが、きょう7日の日経平均株価が、291円安と続急落してスタートしたことから、同社株にも目先の利益を確定する売り物が先行している。ただ同社の今12月期純利益は、連続の過去最高更新と予想され、今年7月24日に発表した今12月期第2四半期(2Q)累計業績が、前年同期比では減益転換したが、12月通期業績対比で約68~70%の利益進捗率と目安の50%を上回ったことを見直し、下値から割安内需株買いが再燃する展開が有力視される。

■2Q利益は減益転換も12月通期業績対比の利益進捗率は68~70%と目安を超える

同社の今12月期業績は、売り上げ410億円(前期比3.7%増)、経常利益26億円(同3.0%増)、純利益15億5000万円(同4.0%増)と予想され、純利益は、前期の過去最高を連続更新する。今年度の公共事業関係費が、前年度と同水準となったものの、自然災害に対応する事前防災・減災対策やインフラの老朽化対策に重点的に配分され、建設コンサルタントの同社には堅調な事業環境となっており、従来の技術分野でのシェア維持・拡大、未参入分野、新分野、周辺分野への業務分野拡大、さらに技術力によって契約企業を選定するプロポーザル方式で優位性を発揮し、価格競争力を強化することが、受注の確保と利益の続伸につながる。

今期2Q累計業績は、受注高が前年同期より0.9%増加し、売り上げが同3.2%増、経常利益が10.1%減、純利益が3.1%減と増収減益で着地したが、売り上げは、12月通期予想業績に対して52.6%、経常利益は67.5%、純利益は69.6%の各進捗率と目安の50%をいずれもオーバーした。

■PER10倍台、PBR0.7倍の割安修正で高値奪回に再発進

株価は、今期第1四半期の減収減益業績を嫌ってつけた年初来安値1055円から2Q累計業績の高利益進捗率業績を評価して1200円台まで底上げ、8月に民事再生手続中で同社の周辺業務の建築設計を主力とする日総建(東京都渋谷区)とスポンサー支援の覚書を締結したことで1360円高値をつけたが、世界同時株安の波及で1114円まで調整、2番底形成となった。PERは11倍台、PBRは0.7倍と割安であり、内需関連株人気も高め、8月高値抜けから今年1月の年初来高値を目指し再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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