【編集長の視点】立花エレテックは値幅・日柄調整一巡で低PER・PBR株買いが膨らみ続伸

編集長の視点

立花エレテック<8159>(東1)は、4円高の1276円と続伸して始まり、今年9月7日につけた株式分割権利落ち後の2番底1225円から底上げをしている。今年3月31日を基準日に実施した株式分割(1対1.2)の権利を落とした権利落ち高値1600円から値幅で約25%、日柄で6カ月弱と調整、テクニカル的に整理一巡として下値からのリバウンドを期待して低PER・PBR株買いが増勢となっている。今3月期純利益の減益転換予想も、積極的な中長期計画の業績目標数値から織り込み済みとして、むしろ今期配当を年間24円(前期実績23円)に増配することをポジティブに評価する動きが優勢になっている。

■国内でシステムソリューション事業を本格化し東南アジア展開も強化

今3月期業績は、売り上げを1650億円(前期比11.9%増)、営業利益を52億円(同7.0%増)と続伸を予想したが、経常利益を54億円(同5.9%減)、純利益を35億円(同35.7%減)と前期の過去最高からの減益転換を見込んだ。この減益転換予想は、昨年12月に子会社化した高木商会に関連して前期に計上した負ののれん発生益15億9900万円が剥落する特殊要因によるもので、業績実態は、売り上げと営業利益に表れているように過去最高ペースで推移する。国内では、高木商会が、今期はフル寄与し、昨年11月に営業を開始した東京支社ビルによる首都圏営業の強化、同10月にスタートした「ロボットシステム営業プロジェクト」によるシステムソリューション事業の本格展開、さらに海外では、中国国内で開設した6番目の青島営業所などにより中国、東南アジアの需要を確実に取り込むことなどが寄与する。

この業績実態をさらに際立たせるのが、今期から推進する中長期経営計画「C.C.J200」である。国内で確立した「技術商社」をアジアの産業界を支える「電機・電子の一大技術商社」にさらに高度化させ、海外売り上げ比率を現在の約18%から30%に引き上げ、創立100周年を迎える2021年3月期を最終年度に売り上げを2200億円、営業利益を75億円に飛躍させるためだ。

■2番底からPER9倍台、PBR0.6倍の割安修正で権利落ち高値目指す

株価は、株式分割の権利を1811円で落とし、落ち妥当値を約100円上回る落ち後高値1600円から1400円台を出没して今期純利益減益を織り込んだが、世界連鎖株安の波及で落ち後安値1201円へ突っ込み、1225円で2番底を確認した。値幅・日柄調整は十分で、PERは9倍台、PBRは0.6倍と業績実態からも下げ過ぎを示唆している。権利落ち高値奪回に再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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