芦森工業が急反発、豊田合成との資本業務提携を強化、セーフティシステム事業で協業、ニッケの株式を取得

■セーフティシステムをトータルで提案・提供できるサプライヤーを目指す

 芦森工業<3526>(東証プライム)は12月1日、166円高(7.54%高)の2368円まで上げて急反発している。同社は11月30日に、豊田合成<7282>(東証プライム)との資本業務提携を強化することを発表した。両社は、エアバッグ、ハンドル、シートベルトなどのセーフティシステム事業において、開発・設計、販売、調達、生産などの各分野で協業を進めるとともに、ニッケ(日本毛織)<3201>(東証プライム)が保有する芦森工業の株式を豊田合成が取得することで、資本関係を強化する。

 資本業務提携の目的は、両社の技術やノウハウを相互に補完し、セーフティシステムをトータルで提案・提供できるサプライヤーを目指すことだ。また、安全規制の強化や電気自動車、自動運転車への対応など、自動車業界の変化に応えるために、開発の効率化やコスト削減などのメリットを享受することも狙いの一つである。

 資本提携の内容は、日本毛織が保有する芦森工業の普通株式869,400株(発行済み普通株式の14.48%)を、豊田合成が2023年11月30日に取得することである。これにより、豊田合成は芦森工業の筆頭株主となり、議決権所有割合は28.58%となる。一方、日本毛織は芦森工業の株式を全て売却し、主要株主でなくなる。

 豊田合成は、自動車部品の製造・販売を主な事業とする会社で、トヨタ自動車<7203>(東証プライム)のグループ企業である。2023年3月期の連結売上収益は9518億77百万円、連結純利益は160億4百万円であった。芦森工業は、エアバッグやシートベルトなどのセーフティシステム製品の製造・販売を主な事業とする会社で、2023年3月期の連結売上収益は1170億9百万円、連結純利益は13億9百万円であった。

 同資本業務提携は、両社の業績に影響を与える可能性があるが、現時点では未定である。今後、業績予想の修正や公表すべき事項が生じた場合には、速やかに発表するとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■バイオマス発電所で自動運転実証、135トンの燃料運搬に成功  大林組<1802>(東証プライム)…
  2. ■小規模店の淘汰進むも、残存者は付加価値戦略で業績回復  帝国データバンクの調査によると、2024…
  3. ■企業独自のシステム統合とカスタマイズ可能なAIエージェントを実現  ソフトバンクグループ<998…
2025年3月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

ピックアップ記事

  1. ■名変更会社の局地戦相場の待ち伏せ買いも一考余地  今年4月1日以降、来年4月1日まで社名変更を予…
  2. ■あの銘柄が生まれ変わる!市場を揺るがす社名変更、次なる主役は?  「トランプ・トレード」が、「ト…
  3. ■年初から57銘柄が優待新設、40銘柄超が拡充・変更  株主優待制度は従来、配当増加や自社株買いと…
  4. ■『マッチポンプ』相場の処方箋、トヨタの優待新設に見る『安全投資』の行方  「まるでマッチポンプ」…
  5. ■「トランプ・ディール」懸念下での投資価値、重複上場株の割安性  今週のコラムでは、米国景気の減速…
  6. ■見直される株主優待制度と重複上場戦略の新展開  ジャパニーズ・スタンダード(日本基準)とグローバ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る