【編集長の視点】マツモトは好悪材料交錯も成長投資資金調達によるビジネスモデル転換を買い直す

■分割権利落ち後高値4120円にチャレンジ

 マツモト<7901>(東証スタンダード)は、直近高値3680円を意識する動きを強めている。同社株は、今年2月27日に第三者割当による新株予約権の募集と今2024年4月期業績の下方修正を同時に発表して好悪材料が交錯したが、ファイナンスで調達する資金によりWeb3事業強化の成長投資を推進することを評価する買い物が再燃した。テクニカル的にも一時、今年1月につけた株式分割後の高値4120円から直近安値までの調整幅の3分の2戻しを達成し、半値戻し水準での値固めをしており、相場格言の「半値戻しは全値戻し」が期待されている。

■アルバム事業のM&AとWeb3事業の強化・国際展開などに充当

 新株予約権は、UNIVA・Oakホールディングス<3113>(東証スタンダード)を割当先としており、調達資金は約8億円となる。この調達資金は、主力の卒業アルバム事業では、厳しい業界競争を乗り切り業界シェアを高めるためのM&Aとともに、2023年2月からサービスを開始したNFT(非代替性トークン)コンテンツを開発・販売を拡大させ、海外展開も積極化するWeb3事業の強化にも充当し、「受注産業から自己発信の企業へ」を目指すビジネスモデルの転換を進める。Web3事業のマーケッツプレース「ShinoVi」は、2023年5月にβ版から正式版に移行し今4月期下期には5000万円の売り上げを見込んでいる。

 なお今4月期業績は、アルバム事業の過当競争が続き、Web3事業が草創期で売り上げ寄与がまだ小規模にとどまり、関連設備の新設、人員増加に伴う人件費増などの製造原価の上昇が想定されるとして下方修正された。純利益は、期初予想の2800万円の黒字予想が5600万円の赤字(前期は7400万円の黒字)に引き下げられた。

■ミニGC示現で「半値戻しは全値戻し」に弾みをつけ分割権利落ち後高値にチャレンジ

 株価は、昨年10月31日を基準日とする株式分割(1株を3株に分割)の権利を1万420円で落とし、権利落ち後は理論価格を下回る落ち後安値2422円から同高値4120円まで大幅高し再度、2619円まで調整したが、今回のファイナンス評価でこの調整幅の3分の2戻しをクリアする3680円までリバウンドし5日移動平均線が25日移動平均線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆した。足元では、半値戻し水準での値固めが続いており、相場格言の「半値戻しは全値戻し」通りに直近高値抜けから分割権利落ち後高値4120円にチャレンジしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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