【編集長の視点】丹青社は年初来高値に肉薄、業績上方修正を手掛かりに増配の中間配当権利取りが増勢

■キャピタル&インカム両取りの魅力で上値期待高まる

 丹青社<9743>(東証プライム)は、前日2日に10円高の1340円と変わらずも含めて5営業日続伸して引け、取引時間中には1342円と上値を伸ばす場面があり、6月30日につけた年初来高値1345円に肉薄した。同社株は、今年6月13日に今2026年1月期第1四半期決算とともに、今1月期第2四半期(2025年2月~7月期、2Q)累計業績・1月期通期業績の上方修正と中間配当・期末配当の増配を発表しており、中間期末の7月相場入りとともに中間配当の権利取りが増勢となった。年間配当利回りが、増配により5.22%と高まり、東証プライム市場の1月期・7月期決算会社の配当利回りランキングでトップ、東証プライム市場の全銘柄ベースでも第92位とトップ100にランクインすることも側面支援材料となっている。

■インバウンド関連需要を享受し関西万博プロジェクトも上乗せ

 業績上方修正のうち、今2026年1月期通期業績は、売り上げを期初予想より20億円、営業利益、経常利益を各15億円、純利益を8億円引き上げ売り上げ1000億円(前期比8.9%増)、営業利益75億円(同45.7%増)、経常利益76億円(同43.0%増)、純利益52億円(同34.2%増)と増収増益率を伸ばし、いずれも前期の過去最高を連続更新する。個人消費の回復に伴い企業の販促活動が持ち直し、インバウンド需要が上乗せとなって商業その他施設事業のディスプレイ案件が好調に推移し、2Qに売り上げに立った大阪・関西万博プロジェクトが、工期・原価上昇リスクなどを顕在化させずに完了し、収益性を改善させたことなどが要因となった。

 配当は、連結配当性向を50%とする配当政策に従って、業績上方修正とともに増配し、中間配当は期初予想の30円から35円、期末配当も同じく30円から35円に引き上げ、年間70円(前期実績45円)に連続増配する。前2025年1月期配当も、期中の業績上方修正とともに年間40円に増配し、本決算発表時には業績の上ぶれ着地に伴いさらに年間45円に再増配しており、積極的な株主還元策の継続として注目される。

■キャピタルゲイン妙味も内包し2018年高値1582円を目指す

 株価は、昨年12月の前期業績の上方修正・増配でも窓を開けて1027円と買われ、今1月期業績の連続過去最高更新予想でもストップ高を交え窓を開けて1158円と上値を伸ばし、今回の今1月期業績の上方修正・増配でも窓を開けて年初来高値1345円まで買われるなど急伸特性を発揮した。それでもPERは12.1倍、年間配当利回りは5.22%と割安である。増配権利取りのインカムゲインとともに、値上り益のキャピタルゲイン妙味も内包しており、この7年来の上値フシを抜いたここからは2018年6月高値1582円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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