【マーケットセンサー】日本造船業界の新たな波:業績相場のダークホース

■舶用機器関連株の上昇:次世代船舶開発への期待

 日本の造船業界は、業績相場の中でディフェンシブな動きを見せつつも、東証プライム市場とスタンダード市場の小型株や銘柄が注目されている。特に舶用機器関連株が上方修正実績を持ち、アップトレンドが期待される業界の第一候補として浮上している。古野電気<6814>(東証プライム)とダイハツディーゼル<6023>(東証スタンダード)はすでに決算を発表し、減益転換予想と減配を予想しているが、株価は反応が分かれている。しかし、日本の造船業はコスト競争力で5年後には世界トップを目指しており、今後の決算発表に注目が集まっている。

 舶用エンジン株、電子機器株、バルブ株などがフルセットの一角を形成し、GW明けの3月期決算発表が予定されている。ジャパンエンジンコーポレーション<6016>(東証スタンダード)などが次世代船舶の開発プロジェクトに参画しており、船底塗料の中国塗料や溶接機械の小池酸素工業<6137>(東証スタンダード)なども注目されている。日清紡ホールディングス<3105>(東証プライム)は黒字転換を予想しており、関連株の一角を形成している。

 造船会社本体も上方修正実績のある関連株があり、3月期決算の発表が予定されている。川崎重工業<7012>(東証プライム)や三井E&Sホールディングス<7003>(東証プライム)が次世代船舶の開発プロジェクトに関連しており、ゼロミッション船開発では造船株や水素システム株も注目されている。内航海運のタグボートの舶用水素ステーションシステムを受注したキッツ<6498>(東証プライム)や加地テック<6391>(東証スタンダード)も穴株として浮上している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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