【円安に関する企業の影響:帝国データバンク調べ】63.9%の企業が利益にマイナス影響を認識

■半数の企業が適正レートを110~120円と回答

 2021年以降、円安傾向が続き、特に2024年4月には円安が急加速、一時的に1ドル=160円台を記録した。その後、変動を繰り返しつつも150円台を維持している。こうした円安の影響を受け、企業活動にさまざまな影響が及んでいる。

 帝国データバンクが実施した円安に関する企業影響アンケートによると、円安が自社の利益に「マイナス影響」を及ぼしていると回答した企業は63.9%に上る。一方、売上高に関しては「マイナス影響」が35.0%で、「影響なし」が49.0%だった。企業からは「輸入材料やエネルギー価格の上昇を受けて収益が低下している」との声が多数寄せられた。

 アンケートによると、企業が考える適正な為替レートは「1ドル=110円~120円台」との回答が50.1%で最多だった。「120円以上~130円未満」が28.9%、「110円以上~120円未満」が21.2%と続いた。現行の円安水準では、企業活動が厳しいとの声が多く聞かれた。

 企業からは、急速な円安への対策や為替相場の安定を求める声が多く出ている。また、原材料価格の上昇分を価格転嫁できる機運を高め、継続的な賃上げによる消費拡大、設備投資の増加という好循環への期待も示された。企業活動の安定のためには、適正な為替レートの維持が求められている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■AIとベイジアンネットワーク解析で165項目を抽出、複雑な因果関係を構造化  大正製薬は11月2…
  2. ■Blackwell GPU2140基で研究競争力を拡大  NVIDIA(NVDA:NASDAQ)…
  3. ■銀座の呉服店「むら田」店主・村田あき子の語りをまとめた書籍  KADOKAWA<9468>(東証…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  2. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  3. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  4. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  5. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…
  6. ■売り方手仕舞いで需給改善が後押し  師走相場では、リスクの大きい銘柄であっても、逆日歩のつく信用…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る