【マーケットセンサー】米大統領選「確トラ」急転直下!ハリス候補指名で波乱の展開、市場は再び不安定に

■トランプ前大統領再選確率急上昇も、ハリス候補登場でシナリオ練り直し

 米国大統領選をめぐる政治情勢の激変が、株式市場に大きな影響を与えている。7月第3週、日経平均株価とNYダウは今年最大の下げ幅を記録し乱高下した。この背景には、トランプ前大統領の再選確率が「確トラ」(確実にトランプ)にまで高まったことがある。6月27日の第1回テレビ討論会でバイデン候補の選挙撤退論が強まり、7月13日のトランプ前大統領への銃撃事件でさらに再選の可能性が高まったとみられた。

 「確トラ」を見越した「トランプ・トレード」がスタートし、市場は大きく動いた。トランプ前大統領の政策スタンスは「ディール(取引)」中心で一貫性に疑問符がつき、「トランプ・リスク」も懸念される。大幅減税継続による財政収支悪化懸念から長期金利が乱高下し、為替相場も円高・ドル安、円安・ドル高と激しく変動した。また、中国への高率関税やウクライナ・パレスチナの地政学リスクも市場を揺るがす要因となっている。

 しかし、7月22日早朝、状況は一変した。バイデン大統領が選挙から撤退し、ハリス副大統領を後継者に指名するというニュースが飛び込んできたのである。トランプ前大統領はかねてよりハリス副大統領を対抗馬とすれば楽勝できると牽制していたが、「もしハリス」となれば「確トラ」シナリオは練り直しが必要となる。「一難去ってまた一難」の状況下、7月終盤の相場は再び大きく揺れ動く可能性が高まっている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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