株は千里を行って千里を帰る=犬丸正寛の相場格言

【先人の教えを格言で解説!】
(犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に残した相場格言を定期的に紹介。)※最新の情報に修正を加えてあります。

■株は千里を行って千里を帰る(短期間成長を狙うと消えるのも早い)

株は千里を行って千里を帰るという言葉は、中国の諺「虎は一日に千里を往復する」から来ています。この諺には二つの意味があります。(1)一日に千里も往復する元気と勢いの良さを表す場合、(2)子供を思う親の気持ちを表す場合です。

株式の格言として使われるときは、主に勢いの良さを表していますが、注意を促す意味も含まれています。つまり、株価は上がるだけでなく、下がることもあるということです。

「虎のように勢いよく値上がりする銘柄ほど、元の位置に戻るのも早い」という意味です。したがって、有頂天にならず、深追いは避けるべきです。特に、一日に千里を行って千里を帰るような勢いのある銘柄は多くありません。

多くの場合、「仕手株」と呼ばれる人気株がこの格言に当てはまります。何年もかけて数倍に値上がりする銘柄は、下がる時も多くの時間がかかりますが、短期間に急騰した銘柄は、短期間に急落することが多いです。

類似した格言に「急騰は急落に通じる」や「短期急騰ほど往って来いは早い」などがあります。往って来いとは、元の水準まで戻るという意味です。かつては北浜仕手株が短期急騰、短期急落しましたが、最近では新興市場の小型銘柄にこのような動きが見られます。これは、発行株数が少ないために人気が先行し、急騰につながることがあります。

世の中はすべてにおいてスピードアップしています。経営も同様で、のんびりしていられないのは事実ですが、短期間での成長を狙うと消えるのも早いことを肝に銘じておくべきです。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■歯周病の進行抑制に向け、老廃物除去と免疫調整の2軸で研究  ライオン<4912>(東証プライム)…
  2. ■バリア性能と印刷適性を両立、2030年までに10億円売上目指す  大日本印刷<7912>(東証プ…
  3. ■胃がん・大腸がん対策で「Train the Trainerプログラム」を展開  オリンパス<77…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物相場を背景に産金株が収益拡大の余地を示す  東京市場では金価格の上昇を背景に産金株が年初来…
  2. ■大統領の交渉術が金融市場を左右し投資家心理に波及  米国のトランプ大統領は、ギリシャ神話に登場す…
  3. ■価格改定効果に加え9月以降の値上げで業績上乗せが期待される銘柄  今週の当コラムは、9月に価格改…
  4. ■9月1日に値上げラッシュの食品株は日銀バトルで小緩んでも株高持続性  まさに「パウエル・プット」…
  5. ■メガバンク株は業績修正や自己株取得が焦点、再編思惑も視野  銀行株やコメ関連株は盆休み明けの注目…
  6. ■日経平均史上最高値更新、夏枯れ懸念を払拭  前週末15日のマーケットは、お盆を象徴するかのように…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る