大成建設、時速60kmで走行中のEVへ無線給電に成功――国内初の快挙

■充電インフラと航続距離の課題解決へ、商用車のEV化を後押し

 大成建設<1801>(東証プライム)は7月18日、高速走行中の電気自動車(EV)に対し、最大10kWの連続無線給電に国内で初めて成功したと発表した。福島県田村市の次世代技術実証センターにおける実験では、時速60kmで走行するEVに対し、道路に埋設した送電電極から無線で電力を供給。伝送効率は平均66%、最大71%を記録し、高速道路での本格導入に向けた可能性を示した。

 運輸部門は国内のCO2排出量の約18%を占め、自動車による排出がその大半を占めている。政府も道路分野の脱炭素化を進める方針を示しており、走行時にCO2を排出しないEVの普及が重要視されている。しかし充電インフラや航続距離の課題が普及の妨げとなっている中で、走行中給電は特に商用車EV化を促進する技術として期待されている。

 同社は2012年から電界結合方式による無線給電道路の開発を進めており、今回の実証実験では、安全性や施工性にも配慮された設計が確認された。舗装構造は既存の高速道路にも適用可能であり、今後は多様な車種への対応や実用化に向けた検証を加速させるとしている。次世代インフラとして持続可能な交通環境の構築と脱炭素社会の実現を目指す。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■歯周病の進行抑制に向け、老廃物除去と免疫調整の2軸で研究  ライオン<4912>(東証プライム)…
  2. ■バリア性能と印刷適性を両立、2030年までに10億円売上目指す  大日本印刷<7912>(東証プ…
  3. ■胃がん・大腸がん対策で「Train the Trainerプログラム」を展開  オリンパス<77…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物相場を背景に産金株が収益拡大の余地を示す  東京市場では金価格の上昇を背景に産金株が年初来…
  2. ■大統領の交渉術が金融市場を左右し投資家心理に波及  米国のトランプ大統領は、ギリシャ神話に登場す…
  3. ■価格改定効果に加え9月以降の値上げで業績上乗せが期待される銘柄  今週の当コラムは、9月に価格改…
  4. ■9月1日に値上げラッシュの食品株は日銀バトルで小緩んでも株高持続性  まさに「パウエル・プット」…
  5. ■メガバンク株は業績修正や自己株取得が焦点、再編思惑も視野  銀行株やコメ関連株は盆休み明けの注目…
  6. ■日経平均史上最高値更新、夏枯れ懸念を払拭  前週末15日のマーケットは、お盆を象徴するかのように…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る