三菱商事、ノルウェー系サーモン養殖3事業を取得、2027年度に生産量1.4倍へ

■年間生産量28万トン体制へ、持続可能な食料供給体制を構築

 三菱商事<8058>(東証プライム)は7月17日、完全子会社であるサーモン養殖会社Cermaq Group ASを通じて、Grieg Seafood社傘下のサーモン養殖3事業を取得することで合意したと発表した。取得対象となるのは、ノルウェー北部事業、カナダ西海岸事業、同東海岸事業の3つの養殖事業で、これにより同社のサーモン養殖事業は大幅に拡大する。

 世界的な人口増加に伴い、食料資源の確保が重要課題となる中、養殖サーモンは環境負荷が低く、サステイナブルな動物性たんぱく源として注目されている。先進国のみならず新興国でも更なる需要拡大が期待される分野で、「獲る漁業」から「育てる漁業」への転換が求められている。三菱商事は2011年にチリでサーモン養殖事業に参入し、2014年にはCermaq社を完全子会社化して、生産から加工・販売まで一貫した垂直統合型の事業を展開してきた。

 今回の買収により、Cermaq社の生産数量は2027年度に約28万トンへ拡大し、2024年度実績の約1.4倍に達する見込みだ。同社は現在、ノルウェー、チリ、カナダの3カ国で年間約20万トンを生産している。取得対象となるGrieg Seafood社傘下の3事業は、Grieg Seafood Finnmark AS(ノルウェー北部事業、24年生産量26千トン)、Grieg Seafood Canada AS(カナダ西海岸事業、同12千トン)、Grieg Seafood Newfoundland AS(カナダ東海岸事業、同11千トン)で、これらの取得により世界有数の鮭鱒養殖事業者としてのプレゼンスを強固なものにする。同社は蓄積してきた知見・技術を最大限に活用し、取得する3事業とのシナジー創出を図ると同時に、食料分野での事業基盤を活用したグローバル展開を加速させ、安全・安心で持続可能な食料資源の供給体制を確立していく方針だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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