【マーケットセンサー】日本取引所グループの上方修正が示す市場活況の兆し

■東証取引時間延長も視野に、証券各社の業績に注目集まる

 前週は石破内閣の解散や選挙関連銘柄の低迷、ノーベル賞関連株の空振りなど「ざんねん」な展開が続いた。しかし、3連休明けの今週は企業業績発表が本格化し、市場の注目を集める。特に証券株の決算速報値が重要な先行指標となる。日本取引所グループの上方修正や極東証券の好調な1Q決算など、証券セクター全体の好調が期待される。また、11月からの東証取引時間延長も株価材料となる可能性がある。今週の企業業績発表が「ざんねん」な結果になるか、それとも「期待通り」の快挙となるか、市場参加者の注目が集まっている。

■AI、為替、中国景気...ディスコ決算が占う市場の風向き

 主力株でもこれから始まる業績相場の先行きが、「ざんねん」か「期待通り」か判断を左右しそうな先行銘柄が出てきた。ディスコ<6146>(東証プライム)である。日本経済新聞の集計では、今期第1Qに過去最高純利益を更新した3月期決算会社は、441社、全体の2割に達し、ディスコはこの一角を占める。同社は、独自の業績開方式を採用しており、業績ガイダンスは、次期四半期業績のみに限定し、そのためその四半期決算発表に先立って四半期ベースの個別(単独)売上高と出荷額を発表している。その10月4日に発表した2Q個別売上高、出荷額では、2Q出荷額(3カ月)が、第1四半期(1Q、3カ月)比1.2%減となったことで、株価は、前週末11日まで400円超の下値調整となった。

 これは、1Q出荷額、純利益が過去最高となり中間配当も増配した今年7月に、株価が急伸し上場来高値まで買い進まれたのとは様変わりな初期反応である。2Q累計業績自体は、10月17日に発表予定で、この1Qと2Qの違いが、AI(人工知能)の業績寄与度や円安・円高の為替動向、あるいは相次ぎ発動された経済対策による中国景気の動向などと関連するかなど明らかになり、主力株の業績相場の方向性を左右する可能性もある。

 2Q決算発表とともにスタートする業績相場が、「ざんねん」となるか「期待通り」となるかの試金石として証券株やディスコの業績動向、さらにそのカタリストとして為替相場や金利動向をウオッチし、自分流の相場の方向性を打診してみるのも一法となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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