【編集長の視点】データセクションはもみ合いも2Q決算発表を前に新規事業への期待を高め再騰余地

編集長の視点

データセクション<3905>(東マ)は、2円安の560円と3営業日ぶりに小反落して始まったあと、2円高と引き戻すなど前日終値を挟んでもみ合いを続けている。今年8月25日につけた上場来安値から100円超幅の底上げをしており、目先の利益を確定する売り物が交錯している。ただ同社株は、11月13日に今3月期第2四半期(2Q)累計決算の発表を予定しており、ビッグデータ分析による国内初の株価予測システムなど相次いで発表した新規事業が、いよいよ収益寄与段階に入るとして業績期待は続いており、なお底上げ余地を示唆している。株価的にも、昨年12月24日の新規株式公開(IPO)時の公開価格520円水準にあるだけに、テクニカル的にも下げ過ぎとしてサポート材料となりそうだ。

■2Qから株価予測システムなど相次ぐ新規事業がいよいよ収益寄与段階

株価予測システムは、データセクションのビッグデータの解析技術・知見に関する国内最先端・最大規模実績と、ファイブスター投信投資顧問(東京都中央区)の高い投資運用実績を組み合わせて開発したもので、ファイブスターは、このシステムに基づき日本株公募ファンド「FS・DSビッグデータ活用型ロングショートファンド(仮称ビッグデータファンド)」を今年7月22日から募集を開始し、8月28日から運用を開始した。Twitterやblogなどのソーシャルデータや為替レート、各種マクロ指標、日経平均株価などの広範なビッグデータの分析により近未来を予測し、ファイブスターの運用ノウハウを統合することで各銘柄の株価変動の相関性、因果性を統計的に解析し、各銘柄の「最適な投資タイミング」を「迅速」に探知することを可能とし、9月から売り上げ計上段階に入った。このほか前期に発表済みの新事業も、この9月や2Qから収益への貢献が始まっている。

 もともと同社は、今3月期業績についてこの新規事業の動向によって左右されるとしてレンジで予想、売り上げを4億円~9億円(前期比6.3%増~2.39倍)、経常利益を3000万円~4億1400万円(同65.1%減~4.87倍)、純利益を1500万円~2億4500万円(同76.3%減~3.88倍)と見込んでいた。今年8月14日に発表した今期第1四半期(1Q)業績は、この新規事業に備えて前年比40%増となる14人の人員を増員する先行投資を実施したことから低進捗率にとどまった。新規事業の収益寄与が2Q累計決算発表で確認されれば、3月通期業績のレンジ上限での着地期待が高まる業績推移が有力となってくる。

■最高値から「半値八掛け二割引き」水準まで調整し一段の戻りが加速

株価は、昨年12月24日に公開価格520円でIPOされて900円で初値をつけ再三のストップ高を交えて上場来高値1730円まで買い進まれた。この最高値後の調整安値958円からは新規事業の口コミ検知ツールを評価して再度、ストップ高し1269円の戻り高値をつけ、さらに株価予測システム開発でもストップ高の870円まで買い進まれるなど急騰を繰り返してきた。足元は、1Q低利益進捗率業績が響いて上場来安値476円と突っ込んで605円と底上げ、公開価格520円水準で値固めをしてきた。この水準は、テクニカル的に大底打ちを示唆する最高値からの「半値八掛け二割引き」となるもので、2Q累計決算発表を先取りし一段の戻りを試そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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