
■顧客体験の強化とAI活用で新たな金融価値を提供
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)<8306>(東証プライム)は5月27日、個人向け金融サービスにおける新たなリテール戦略を発表した。顧客との“つながり”を軸に、「やさしい金融サービス」を提供する新ブランド「エムット」を導入し、資産管理アプリやポイントプログラムを展開するほか、2026年度後半の開業を目指し、リアルとデジタルを融合した新たなデジタルバンクの設立を計画している。
このデジタルバンクでは、グーグルクラウドを基盤に、ウェルスナビと共同開発する顧客別最適提案システム「MAP」の導入を進めており、AIや6000万人規模の顧客データを活用することで、個人に最適化されたサービスを提供する。また、金融データプラットフォーム企業マネーツリーの株式取得に合意しており、強固な情報基盤構築も視野に入れる。
さらに、eスマート証券やウェルスナビの完全子会社化を通じた証券・資産運用機能の強化、カード・ローン分野の再編、AI開発やBaaS事業推進など、多角的なグループ戦略を加速。圧倒的な預金規模と顧客基盤をもとに、「LTV(生涯提供価値)×顧客基盤」の最大化を目指し、金融サービスの未来に向けて総合的な価値提供を進めていく構えである。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)