新光商事、シミズシンテック完全子会社化で業績予想を大幅上方修正、M&A効果で配当も増額

■51.8億円で株式取得

 新光商事<8141>(東証プライム)は5月30日、日本電気(NEC)<6701>(東証プライム)傘下のシミズシンテックを51.8億円で完全子会社化すると発表。この買収により、2026年3月期の通期連結業績予想を大幅に上方修正し、売上高を前回予想の1000億円から1075億円に、営業利益を7億円から10億円に引き上げた。親会社株主に帰属する当期純利益も5億5000万円から7億3000万円に上昇する見込みだ。

 シミズシンテックは石川県金沢市に本社を置く電子デバイス卸売業者で、1940年設立の老舗企業である。資本金9000万円、2025年3月期の売上高は99億700万円、営業利益は5億7900万円を計上している。北陸エリアを起点とした強固な営業基盤を持ち、電子デバイス販売だけでなく、IT・DX技術を活用したシステムソリューション開発のノウハウを有することが買収の決め手となった。

 業績予想の上方修正に伴い、新光商事は配当予想も修正した。第2四半期末配当を4.5円から6円に、期末配当を5円から6.5円にそれぞれ1.5円増額し、年間配当は12.5円となる。同社は連結配当性向50%を目途とする基本方針を維持し、株主への安定的な配当と成長戦略への投資のバランスを図っている。

 新光商事は「変革の時代の中で、多様なエレクトロニクス商材・サービス等の提供を通じ存在価値を高め、進化する電子部品商社グループを具現化する」を経営方針とし、エリア戦略や新規事業領域の開拓を目的としたM&Aを経営戦略の柱に据えている。今回の買収により収益力をさらに高め、業界におけるプレゼンス向上と企業価値向上を目指す方針だ。株式譲渡は6月30日に実行予定で、シミズシンテックは2026年3月期第2四半期から連結子会社となる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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