IHI、米GEベルノバとアンモニアガスタービン開発向け大型燃焼試験設備を完工、2030年実用化へ

■燃焼時CO2排出ゼロの次世代燃料活用へ一歩前進

 IHI<7013>(東証プライム)は6月23日、米GEベルノバと共同で取り組むアンモニアガスタービン開発に向け、兵庫県相生市の相生工場において大型燃焼試験設備を完工したと発表した。両社は2024年に締結した共同開発契約に基づき、2030年までにGEベルノバのF型ガスタービンを100%アンモニア燃料で稼働可能なシステムへと転換することを目指している。新設された試験設備は、同ガスタービンの実運転条件を再現できる仕様であり、2025年夏から本格的な燃焼試験を開始する予定である。

 IHIは、既に出力2MWのアンモニア100%燃焼型ガスタービン「IM270」の開発実績がある。今回の大型設備は、さらなる技術進化とスケールアップを図る開発の要であり、両社が進める脱炭素技術の中核拠点とされる。IHIとGEベルノバは、アンモニアバリューチェーンの確立とともに、発電事業のCO2削減に資する新燃料技術の社会実装を進めていく。IHIの山本建介氏は「完工は開発の大きな前進」と述べ、GEベルノバのゴールドミア氏は「本プロジェクトは次の段階に入った」と強調した。

 アンモニアは水素のキャリアとしても注目されており、炭素を含まないため燃焼時にCO2を排出しない特性を持つ。これにより、電力部門における脱炭素化を直接的に推進できる燃料として期待が高まっている。IHIは今後もアンモニア燃焼技術の開発および供給体制の整備を進め、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していく考えである。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. 【ダブルセット・フルセット銘柄、夏休み明けも底堅さに期待】 ■上方修正・増配・株式分割の好材料銘柄…
  2. ■上方修正・下方修正問わず買い集まる異例の展開  3連休入りした9日の成田空港では、夏休みを海外で…
  3. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  4. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  5. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  6. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る