【マーケットセンサー】観光立国ニッポン、外貨獲得の主役はインバウンド消費へ

■訪日客消費が外貨獲得の鍵、関税リスク回避で注目

 日本政府観光局は6月18日、2025年5月の訪日外国人旅行者数が369万3330人に達し、過去最高を記録したと発表した。インバウンド需要は好調に推移し、観光立国としての日本の強みが発揮されている。米国が8月1日に予定する相互関税の影響を受けにくい国際観光産業は、外貨獲得の柱として注目されている。2024年の訪日客消費額は8兆1257億円にのぼり、半導体等電子部品を抜いて外貨獲得額で第2位にランクインした。円安・ドル高の為替環境も追い風となり、ホテルやリユース、鉄道、航空などの関連株が市場で活況を呈している。

■観光立国推進で成長持続、2030年目標は15兆円

 国際観光は「見えざる貿易」として、トランプ関税の課税対象外に位置づけられる。2024年の訪日外国人旅行者数は3686万9000人で前年比47.1%増、消費額は53.1%増と急拡大した。第5次観光立国推進基本計画では、2030年に訪日客6000万人、消費額15兆円を目標としている。6月の訪日客数も引き続き好調が予想され、夏のバカンスシーズンに向けて需要拡大が見込まれる。こうした背景から、インバウンド関連株は安定した投資先として評価されつつある。

■割安な関連株に投資妙味、ホテルやリユース株が牽引

 ホテル株や周辺サービス株は割安感が強く、市場の注目を集めている。グリーンズやワシントンホテルなど、PER10倍以下の東証スタンダード銘柄が上位を占める。リユース株ではコメ兵ホールディングス、百貨店株では高島屋が低PERで投資妙味がある。航空株のANAホールディングスや電鉄株の西日本鉄道なども割安で、PBR1倍割れの銘柄が多い。インバウンド需要の持続が、これら関連株の値動きを後押ししている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■開発者や投資家に加え、警鐘を鳴らす識者やアーティストも選出、多様な視点でAIの未来を問う  米T…
  2. 【効率化の先に広がる新しい働き方のルール】 ■広がり始めた「AI格差」  生成AIの利用が急速に…
  3. ■R35 GT-R最終生産、累計4万8000台が築いた伝説  日産自動車<7201>(東証プライム…
2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  2. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  3. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  4. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…
  5. ■自民党総裁選と連立問題が相場を左右、短期急伸と急落を交錯  高市トレードは、まるで「超高速エレベ…
  6. ■東京市場、リスクオンとリスクオフが交錯、安全資産関連株に注目  週明けの東京市場は、米国株反発に…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る