【マーケットセンサー】定額減税で兜町の「低位株ファン」が復活か?

■4万円で100株を購入できる低位銘柄が約460銘柄存在

 定額減税4万円は、当初はインフレ対策として期待されていた。しかし、実際には家計防衛に充当されるケースが多く、インフレ対策としての効果は限定的となっているようだ。

 一方、この4万円を原資に株式投資を行う人も現れている。東証には、4万円で100株を購入できる低位銘柄が約460銘柄存在し、中には配当金も出る会社もある。これらの銘柄に投資すれば、4万円の変動収入が恒常収入に変わり、税制優遇制度を活用することで、さらに利益を増やすことも可能だ。

 かつて兜町には、「低位株ファン」と呼ばれる投資家が多く存在した。彼らは、低位銘柄に投資して利益を得ることを専門としていた。しかし、「失われた30年」の経営破綻ラッシュで多くの低位銘柄が価値を失い、「低位株ファン」も淘汰されてしまった。

 しかし、定額減税4万円を機に、再び「低位株ファン」が復活する可能性もある。4万円という少額でも投資を始められることから、初心者投資家にとっても参入しやすい環境が整っている。また、近年はオンライン証券の発達により、低位銘柄の売買も容易になった。

 定額減税4万円が、日本の投資市場を活性化させるのかどうかは、まだ見守る必要がある。しかし、低位株投資という新たな選択肢が生まれたことは、注目すべき動向と言えるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■ガソリン・軽油の暫定税率廃止法成立  ガソリン暫定税率廃止法は11月28日に成立し、ガソリン税2…
  2. ■うつ・統合失調症・発達障害を脳から理解する、最前線研究を平易にまとめた一冊  翔泳社は11月25…
  3. 【新築マンションの短期売買を分析】  国土交通省は11月25日、三大都市圏および地方四市の新築マン…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■「大きく産んで小さく育てる」IPO市場、期待裏切る後半戦  48勝2分10敗である。2025年の…
  2. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  3. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  4. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  5. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  6. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る