三菱地所とT2、自動運転トラック建物内走行を国内初実証、物流施設で無人輸送実現へ

■東京流通センターで技術有効性を確認、2025年7月から9月に実施

 三菱地所<8802>(東証プライム)とT2は8月21日、自動運転トラックによる物流施設内の「建物内走行」の実証を開始したと発表した。実証は2025年7月から9月まで、東京流通センター所有の施設で実施され、建物内走行に必要となる自己位置推定技術の有効性を確認する。背景にはトラックドライバー不足による「2024年問題」があり、両社はレベル4自動運転トラックの運行に向けて、物流施設内での無人走行を可能にする技術の確立を目指している。

 三菱地所は京都、仙台、横浜などで高速道路IC直結型の「次世代基幹物流施設」の開発を進めており、これらを自動運転トラックの発着拠点と位置付ける。T2は既にレベル2の自動運転トラックによる商用運行を開始しており、今回の実証では高精度3次元データとLiDARによる情報を組み合わせて自己位置を把握する方式を検証する。第1段階では同一フロア直進走行を試み、2026年以降にはランプウェイや複数フロアを跨ぐ走行、バースでの発着検証へ進展させる計画である。

 両社は2023年の資本業務提携以来、省人化と効率化を目的に技術開発を推進してきた。建物内走行技術の確立は、物流施設のバース間を無人で結ぶシームレスな輸送を可能にし、持続可能な物流の実現や環境負荷低減にもつながる見通しである。三菱地所は関連特許を出願中であり、T2と共に自動運転技術を活用した次世代物流モデルの実装を加速させる方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■金融・医療・公共分野に特化した高精度処理、低コストで安全運用可能  NTT<9432>(東証プラ…
  2. ■ジャイアンツ球場隣接の221邸、シニアの健康・交流を支える新拠点に  フージャースホールディング…
  3. ■IT・スタートアップ中心に若手CEO台頭、経営のスピード化が進展  帝国データバンクは10月14…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■気温急低下がシーズンストック相場発進を後押し  今週のコラムでは、バリュー株選好の別の買い切り口…
  2. ■「押し」のAI株より「引き」のバリュー株選好で厳冬関連株の先取り買いも一考余地  「押してだめな…
  3. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  4. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  5. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  6. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る