FDK、高容量AB2型水素吸蔵合金を開発、水素社会実現へ新素材投入

■体積効率は液体水素の約2倍、高圧ガス比7倍を実現

 FDK<6955>(東証スタンダード)は7月17日、水素貯蔵タンク用の新素材として高容量AB2型水素吸蔵合金を開発したと発表した。ニッケル水素電池で培った吸蔵技術と、中国子会社との連携による技術力を融合し、来るべき水素社会に適応した次世代素材として実用化を目指す。今回の新製品は、液体水素の約2倍、高圧水素ガスの約7倍の体積効率を持ち、既存のAB5型合金より20%多い水素を貯蔵可能とする。

 従来のAB5型合金はリサイクル性や反応速度の速さが利点であったが、水素貯蔵量に限界があり、タンク用途には適さなかった。対して今回のAB2型合金は、安定した水素放出圧力と簡便な活性化プロセスを両立し、日本の高圧ガス保安法に対応した低圧仕様と、海外向けの高圧仕様の両方に適応できる構造となっている。これにより、水素ステーションや小型燃料電池モビリティ向けなど、多様なニーズに応える構成が可能となる。

 同社は7月から一部顧客向けにサンプル提供を開始し、10月以降に量産出荷を予定している。また7月29日から中国・上海で開催される国際展示会において、同製品を展示する方針を示した。今後も電池・水素エネルギーの分野において先進技術を提供する「スマートエナジーパートナー」として事業展開を図る構えである。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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