川崎重工と藤田医大、世界初の検体自動搬送・投入ロボット実証に成功

■岡崎医療センターで実証、医療従事者の負担軽減と業務効率化を確認

 川崎重工業<7012>(東証プライム)と藤田医科大学は8月21日、愛知県岡崎市の藤田医科大学岡崎医療センターにおいて、サービスロボットを連携させた臨床検体の自動配送および臨床検査機器への自動投入に成功したと発表した。実証に用いられたのは、川崎重工の屋内配送用ロボット「FORRO(フォーロ)」とアーム付き自律走行型ロボット「Nyokkey(ニョッキー)」であり、両者が連携し、病棟から検査室までの検体輸送と検査装置への自動投入を実施した。今回の成果は世界初の事例であり、医療従事者の業務負担軽減と効率化に資することが確認された。

 実証実験は2025年8月4日から6日にかけて実施され、川崎重工が提供する屋内外位置情報ソリューション「mapxus Driven by Kawasaki」を用いて効果を定量的に検証した。検体輸送に携わる医療従事者の移動距離を計測し、ロボット導入による負担軽減の実効性を評価している。同実証には愛知県の「ロボット未活用領域導入検証補助金」が活用されており、今後の医療現場における省人化・効率化の推進につながることが期待される。

 川崎重工の「FORRO」は、患者にも親しみやすい外観を備え、労働力不足解消の一助として開発された。一方「Nyokkey」は多用途型プラットフォームであり、医療分野を含め介護施設や飲食店など幅広い領域に応用可能とされる。両者の連携による今回の実証成果は、ロボット技術を活用した医療従事者の環境改善に新たな可能性を示すものであり、今後の医療現場における持続的な高品質医療提供に寄与することが見込まれている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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