OpenAI、米Statsigを11億ドルで買収、実験基盤強化し製品開発を加速

■A/Bテストや機能フラグ強化、応答性高いサービス構築へ

 OpenAIは9月2日、米国の製品実験プラットフォーム企業Statsigを買収すると発表した。買収額は11億ドル(約1600億円)と報じられており、規制当局の承認を経て完了する見込みである。StatsigはA/Bテストや機能フラグ付け、リアルタイム意思決定を可能にするプラットフォームを提供し、世界の有力企業に導入されてきた。今回の買収により、同社は実験プロセスを加速させ、利用者や企業に対して一層応答性の高いサービス提供を目指す。

 買収に伴い、Statsig創業者のヴィジャイ・ラジ氏がOpenAIのアプリケーション担当最高技術責任者(CTO)に就任する。ラジ氏はMetaで10年以上にわたり大規模消費者向けエンジニアリングを主導した経歴を持ち、起業家精神と実務経験を兼ね備える人物である。新CTOとして、ChatGPTやCodexを含む製品エンジニアリングの統括に加え、インフラやシステム整合性に関わる領域も担う。アプリケーション担当CEOのフィジ・シモ氏の直属として、次世代の製品開発を推進する体制が整うことになる。

 Statsigは今後も独立して運営を続け、シアトルの拠点から顧客基盤へのサービス提供を継続する。従業員はOpenAIに合流するが、既存顧客へのサポートを維持するため、統合作業は段階的かつ慎重に進められる方針だ。ラジ氏は「AIを信頼性の高い形で進化させ、人々や企業に有益な道を開く」と強調しており、今回の買収はOpenAIのアプリケーション事業拡大における重要な転機と位置づけられる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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