7月の実質賃金0.5%増、7カ月ぶりにプラス転換、物価上昇圧力に一つの兆し

■ボーナス増加と賃上げ効果が寄与、基礎給も堅調に推移

 厚生労働省は9月5日、毎月勤労統計調査の令和7年7月分結果速報を公表した。物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比0.5%増となり、7カ月ぶりにプラスへ転じた。名目賃金の一人当たり現金給与総額は41万9668円で4.1%増となり、43カ月連続のプラスを記録した。特に賞与など「特別に支払われた給与」が12万8618円と7.9%増加し、6月の伸び率を上回ったことが全体を押し上げた。

 所定内給与は27万827円で2.5%増加し、45カ月連続でのプラスとなった。定期昇給やベースアップを含む賃上げの広がりが反映された形だ。また、時間外手当などを含む「きまって支給する給与」は29万1050円で2.6%増加し、約30年7カ月ぶりの高い伸びを示した。一般労働者の現金給与総額は55万5326円で4.6%増、パートタイム労働者の時間当たり給与も1,382円で3.2%増と、それぞれ堅調に推移した。

 一方、総実労働時間は141.6時間で0.1%の微増にとどまり、就業形態別では一般労働者が0.4%増の168.9時間、パートタイム労働者が0.9%減の80.8時間となった。実質賃金の算出に用いる7月の消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)は3.6%上昇し、6月の3.8%から伸び率が縮小した。厚労省は今年3月から国際比較に対応する新方式を導入しており、この方式で算出した7月の実質賃金は1.0%増と、従来方式を上回った。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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