三井住友建設ら3社、浮体式洋上太陽光でNEDO採択、国内初の波浪海域実証へ

■広島県大崎上島近海で2027年度に50kWシステム設置

 三井住友建設<1821>(東証プライム)は9月9日、中国電力<9504>(東証プライム)および中電技術コンサルタントと共同で「浮体式洋上太陽光発電システムの研究開発」が国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業に採択されたと発表した。太陽光発電の設置適地不足を背景に、海上での導入拡大を目指すもので、広島県豊田郡大崎上島近海に実証試験設備を設置する。波浪が進入する海域での洋上太陽光実証試験は国内初となる。

 研究開発は2025年度下期から2028年度末までの計画で進められ、2027年度上期に約50kW規模のシステムを設置する予定である。その後1年間、波浪・潮位変動・塩害といった自然環境下で安全かつ安定的に発電できるかを確認し、事業性評価も実施する。太陽光パネルとフロートを組み合わせた浮体式システムが実用化されれば、新たな発電インフラの選択肢となる。

 同研究は再生可能エネルギーの新たな可能性を切り拓く試みであり、3社は実証を通じて社会実装を推進する方針である。洋上での電源確保が進めば、導入拡大に伴う土地不足の課題解消やカーボンニュートラル社会実現への寄与が期待される。今回の採択は、浮体式洋上太陽光発電の商用化に向けた第一歩と位置付けられる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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