【どう見るこの株】HOUSEI、AI用高性能サーバー寄与で業績V字回復へ、年初来高値に再挑戦
- 2025/9/10 08:28
- どう見るこの株

■業績は黒字転換、人員増強や為替差損を乗り越え
HOUSEI<5035>(東証グロース)は、前日9日に9円安の495円と3営業日ぶりに反落して引けた。日経平均株価が184円安、東証グロース市場指数も0.53%安とそれぞれ4営業日ぶりに反落したことから、25日移動平均線を固める三角保ち合い中の同社株も、目先の利益を確定する売り物に押された。ただ下値には、バリュー的にPERが14倍の有配AI(人工知能)関連株としての買い物は続いており、今年8月13日に発表し増減マチマチで着地した今2025年12月期第2四半期(2025年1月~6月期、2Q)累計業績の下値での織り込みも煮詰まり感を強めている。期初予想を据え置いた今12月期通期業績がV字回復予想にあることも早晩、見直される展開が想定される。
■新展開のAIエージェント、AI用高性能サーバーなどが業績を押し上げ
同社の今12月期2Q累計業績は、売り上げ23億9700万円(前年同期比1.9%増)、営業利益600万円(前年同期は4400万円の赤字)、経常利益1300万円の赤字(同収支トントン)、純利益1600万円の赤字(同900万円の赤字)となった。AIエージェントによるデータ分析生成を可能とするAIチャット型BI「imprai ezBI」をリリースし、24時間営業をサポートする無人店舗ソリューションを合計27店舗に提供したことなどから売り上げは続伸し、売上総利益も7億4974万円(同12.4%増)と順調に推移したが、人員増強による人件費などの販売管理費負担や、中国元安により為替差損の計上などが利益を押し下げた。なお中国で新規に展開している金融情報システム事業は堅調に推移しており、海外IT事業の営業利益は黒字転換した。
今12月期通期業績は、期初予想に変更はなく売り上げ56億円(前期比13.9%増)、営業利益3億円(同3・81倍)、経常利益3億円(同2.33倍)、純利益2億3000万円(同82.5%増)とV字回復を見込んでいる。昨年11月から新事業として展開しているAI用高性能サーバーや周辺機器の輸入販売・保守サービスがフル寄与してくる。なお配当は、年間3円(前期実績3円)の安定継続を予定している。
■25日線出没の三角保ち合いを上放れPER14倍の修正で年初来高値に再挑戦
株価は、「imprai ezBI」リリースを歓迎して年初来高値675円をつけ、トランプ関税のショック安時には415円安値と下ぶれ、売られ過ぎとして500円台にリバウンドしたあと今期第1四半期の増減マチマチ業績で480円安値、今回の2Q累計業績発表では483円安値と下ぶれるなど25日移動平均を出没する三角保ち合いを続け無人店舗システムの導入拡大、「スマート倉庫システム」の新機能追加などに反応して煮詰まり感を強めてきた。PER14.8倍の有配株として三角保ち合いを上放れ年初来高値奪回に再チャレンジしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)