JPYC、国内初となる次世代クレジットカード「ナッジカード」に導入、決済を日本円ステーブルコインで後払い可能に

■約37兆円市場のステーブルコイン、日常生活での利用普及に向け一歩

 JPYCは9月11日、日本円建ステーブルコイン「JPYC」を活用したクレジットカード返済機能が、ナッジが提供する次世代クレジットカード「Nudge(ナッジカード)」に導入されると発表した。開始は2025年10月を予定しており、国内初の事例とされる。これにより、世界約1億5000万超のVISA加盟店での買い物に対し、後払い方式でJPYCによる返済が可能となる。同社は8月に資金移動業者として登録を受け、今秋の正式発行を控えている。わずか1か月で新たなユースケースを実現したことは、ステーブルコインの社会実装を加速させる象徴的な動きと位置付けられる。

 今回導入される「JPYC払い」は、銀行引き落としやATM払いに加わる新たな返済手段であり、利用者は指定ウォレットに送金することでカード代金を返済できる。初期段階ではNudge NFTの実績を持つPolygonチェーンから対応を開始し、段階的に拡大する方針だ。JPYCは日本円と1対1で交換可能で、裏付け資産を預貯金や国債で保全する。こうした仕組みにより、安全性と信頼性を担保したうえで日常生活の支払いに組み込めることが期待されている。

 さらにJPYCは、電子決済インフラとしての特性を生かし、幅広い分野でのユースケースが進展している。電算システムによる全国6万5千店以上のコンビニ決済ネットワークでの導入検討、アステリアによる企業向け業務連携サービスへの組み込み、HashPortの次世代ウォレット対応などが具体化しており、経済圏拡大の動きが加速している。JPYCの導入は、オンチェーン経済と実体経済を結びつける取り組みとして、国内金融のデジタル化に大きな一歩を刻むことになりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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