日本ライフライン、Heartseedと提携、iPS由来心筋球「HS-005」治験支援へ

ビジネス 万年筆 メモ

■投与カテーテルシステムを提供、2025年内の治験届提出を目指す

 日本ライフライン<7575>(東証プライム)は9月11日、Heartseed<219A>(東証グロース)と業務提携し、同社が開発中の再生医療等製品「HS-005」(他家iPS細胞由来心筋球)の臨床試験に向けて、投与カテーテルシステムを提供すると発表した。両社は低侵襲な心筋再生医療の実現に向け、技術と経験を結集して協業を進める。今回の提携は、2025年内の治験届提出を目標とする臨床試験準備を後押しするものである。なお、日本ライフラインは本件による2026年3月期業績への影響は軽微と見込んでいる。

 HS-005は、従来の「HS-001」(開胸手術による心筋内投与)の次世代品であり、カテーテルを用いて心臓の内側から投与することが特徴だ。心筋球は他家iPS細胞から高純度で作製された心筋組織を微小構造体にしたもので、生着率や生存率の向上が非臨床試験で確認されている。心筋内に投与されると再筋肉化を促すほか、血管新生因子を分泌し周囲に新たな血管形成を誘導することが期待されている。低侵襲で精度の高い治療方法として、今後のグローバル展開も視野に入れられている。

 日本ライフラインは不整脈診断カテーテルで国内トップシェアを持ち、心筋向け細胞投与カテーテルの開発経験を有する国内唯一の企業である。今回提供する投与カテーテルシステムは3Dマッピング技術に対応し、標的部位への正確な細胞投与を可能とするほか、特許取得済みの電極構造により心筋層到達を心電図変化で確認できる。両社代表は、心不全患者への新たな治療選択肢の提供に向け協業の意義を強調しており、再生医療の社会実装に向けた大きな一歩となることを強調している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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